10月上旬、県西地域を中心とした地元産品が市民に届けられた。これは、市民からの寄付を活用して建設された太陽光発電所「市民ソーラー第2期」(以下ソーラー2)が発電開始から3年経過し、寄付募集時の約束通り、事業収益から出資者に届けられた返礼品だ。
ソーラー2を運営しているのは、ほうとくエネルギー株式会社(小田原市扇町/蓑宮武夫代表取締役)。東日本大震災による計画停電等を経験し、「再生可能エネルギーの地産地消」「地域内経済循環」を掲げ地元24社の出資(現在37社)で2012年に設立した事業会社だ。
同社2基目のソーラー2建設に先立ち、16年秋から1口2万円の寄付を呼び掛けると市内外から253口506万円が寄せられ建設費に活用された。
ソーラー2は当初予想を上回る発電量で順調に収益を上げているという。19年実績は86万4千kWh/年で一般家庭約245軒分を超える。
返礼品カタログには、鮮魚や干物、ブランド牛などの食品をはじめ工芸品、飲食店利用券など25の店舗等が名を連ねる。同社広報担当の萩原美由紀さんからカタログを受け取った飯田勉さん(61・会社役員)は「計画停電は市民生活への影響が大きかった。安心安全な地域づくりを進めるという趣旨に賛同した」と寄付への思いを話した。
再生可能エネルギー普及を促進
同社は設立から8年間でメガソーラー2基を建設、さらに公共施設や民間の屋根を活用した屋根貸し太陽光発電等を進め、現在最大約2・1MWの再生可能エネルギー発電所を稼働中。発電した電気は、地元の湘南電力(株)にすべて供給している。
国内では、メガソーラーをはじめとする再生可能エネルギー事業で苦戦を強いられる企業も少なくないが、同社は自治体との再生可能エネルギー促進の協定を結ぶなど、着実に事業を進めている。「地域の皆さんが応援してくれているおかげ」と述べる志澤昌彦取締役副社長は、近年注目のSDGs(持続可能な開発目標)に触れ「当社が目指す理念はそもそもSDGs。これからもエネルギーを通した地域の経済循環を推進していく」と思いを語った。
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