小田原の耕作放棄地に繁茂し過ぎた竹林を伐採し、竹材として地域に役立てよう―。地元で300年以上続くミカン畑に迫る深刻な獣害の抑制も目指し、力を結集した市民たちがいる。その取り組みを追った。
市内沼代の農家「あきさわ園」の秋澤史隆さんによると、同園では代々300年以上にわたり、ミカン栽培を中心とした農業を続けている。同園は50年ほど放置されている耕作放棄地を借り受けているが近年、竹が増え過ぎて畑を侵食。秋澤さんは「2014年頃からは獣害も深刻化し、歯止めが掛からない」と頭を抱える。
この危機に立ち上がったのは秋澤さんと交流を持つ市内在住の建築士・杉山大輔さん。竹林を伐採し、地元の漁協と協力して竹を海水に漬け、防腐効果を持たせた竹垣を生産して市街地の景観向上などに生かすプロジェクトを立ち上げた。
資源の有効活用につながる同事業は多くの人々の賛同を得て、11月1日、あきさわ園内の竹林で開催した伐採イベントには、園児を連れた親子をはじめ、学生、林業関係者、竹細工職人、市職員ら約40人が参加。林に分け入り、約4時間を掛け200本以上を切り出した。のこぎりでの枝打ちに挑戦した渡辺舞佳さん(8)は「難しかったけど、やり方を教わって上手にできた」と笑顔を見せた。
伐採した竹材は塩漬けするほか、11月8日(日)、国府津のブレンドパークでのイベント(午前10時〜午後4時)で竹細工に活用したり、竈門禰豆子風マウスピースにして配布する。(次回に続く)
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