「チンチン電車」が小田原に帰ってきた。
市内南町で建設が進む「箱根口(はこねぐち)ガレージ 報徳広場」の敷地に運び込まれたのは、かつて小田原駅―板橋駅間を走っていた路面電車の車両。1956年の廃線後に長崎電気軌道(株)(長崎市)に譲渡された「モハ202号」だ。
長崎で引退した車両を再び小田原に里帰りさせようと、今年4月に「小田原ゆかりの路面電車保存会」が発足。輸送費だけでも約750万円が見込まれるなかクラウドファンディング等で支援を呼び掛け、鉄道ファンや多くの市民から約950万円が寄せられ、遂に実現を迎えた。
長崎を出発してから4日目。12月19日午前8時過ぎ、トレーラーに積まれた水色と黄色の車両をを近隣の住民や関係者は笑顔で迎えた。車両は大型クレーンで吊り上げられ、64年振りに小田原の地を踏んだ。約1時間半の作業を見守っていた保存会の小室刀時朗会長は「ひと安心ですが、大切なのはこれから。3世代が交流できる活用法をしっかりと準備していきたい」と目を輝かせた。
同施設は、報徳二宮神社のまちづくり推譲事業の一環として報徳仕法(株)が運営。観光交流促進と地域の3世代交流を目的とする。同神社草山明久宮司は「施設がオープンする来年2月が、電車の正式なお披露目になります。人が集うコミュニティーであり地域活性化の場になることを期待しています」と話した。
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