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学園創立119周年 「コロナ自粛の時」ピンチをチャンスに! 大きな構えの人づくり・学校づくりを探究 新名学園旭丘高等学校
大きなインパクトのあった2020年。暮らしが一変する間、経済や交流の停滞と混乱がある一方で、自己を見つめ「新たな芽吹き」も感じる一年となった。創立119年を迎え、建学の精神と教育目標の基調となる理念『人間教育』を掲げる新名学園旭丘高等学校の水野浩理事長・学校長に話を聞いた。
―昨年は教育現場も様々な規制を余儀なくされました。この状況を、貴校ではどのように乗り越えられましたか。
本校でも、4月7日の入学式当日の夜に政府から緊急事態宣言が発出され、臨時休校を余儀なくされました。生徒たちは一学期の3か月間ほぼ通常の学校生活を営む条件が整わない日々を過ごしました。学校ではオンラインなども用いた学習環境を作り、家庭学習の課題や「学習と生活の記録」などで学びと生活状況の把握を行ったことは、その後の授業づくり、ホームルームづくりに生かされました。
―生徒一人ひとりの人格形成、発達保障、進路形成に向けた教育目標が、生徒たち自身のいわば自治の力で体現させられたのですね。
夏休み期間中に中学生に向けて実施したオンライン体験セミナー(学校説明会)では、旭丘の教育の特徴や生徒自身の進路探求課題などを、在校生徒たちが自分の言葉で発信しました。視聴した中学生と保護者の皆さんからは、共感と支持の声がたくさん寄せられています。ある中学生は、こう感想を残しています。「在校生の皆さんは、進路に対する目標をしっかり持っていて、お話を聞けて良かったです。自分の進路を考えるうえでも、先輩たちの前向きな姿に勇気づけられました」。
オンラインを駆使小田原から世界へ
―2学期には学校も全面再開しましたが、行事や部活動など難しい問題も残りました。
下記「NEW STYLE」に詳述している本校の修学旅行は、「ナガサキ平和学習」として35
年前から、2年生が長崎に赴き、現地の被爆者とナガサキ原爆を「身証」する「証言の会」の方々のお話を聞き、「碑めぐり」「50字メッセージ」などを重ねてきた学校行事です。このオンライン修学旅行は、NHKで全国放送されました。
また同様に、例年は生徒たちが地域に出て社会を学ぶ機会となる1、3年生の社会見学では、今年は大学の先生や地域の方々に本校に来ていただき、大学の模擬授業や、小田原の地場の産物についての講座などを実施していただきました。
―生徒たちの自主性、主体性はこういう状況下でも生かされたのですね。
各運動クラブの部活動は生徒たちが制限期間中は「自粛」を守り、その中でできる活動を続けてきました。2学期にはほとんどの運動部活動が再開できましたが、最も人間間の接触の多い相撲部はなかなか本格的な活動ができませんでした。そうした制限のなか、「NEW FUTURE」にあるように、練習再開後は再び目覚ましい活躍を見せています。何か月ぶりかで稽古を始めた感想を、奥知久主将はこう述べています。「久しぶりに立った土俵は、こんなに広かったのかと驚くほどでした。自分たちを支えてくれた先生や親そして地域の方々など多くの人たちへの感謝の思いが強く激しくわいてきて、また全国を目指して頑張ろうという気持ちになりました」。
制限・制約のもと開催した文化祭では、生徒会が「Make our Happiness―マスクの下に僕らの笑顔」というテーマを定めました。生徒会総務が展示発表した「女子スラックスの着用問題」は、「NEW WEAR」に詳述したように、国連のSDGsでも強調されているジェンダー平等や人権保障の観点からも重要な取り組みでした。
コロナ禍を超えて人類史の未来へ
―昨年の経験を踏まえ、今年から2年後の創立120周年に向けての抱負をお聞かせ下さい。
本校は2014年から、中国の西安外国語大学附属西安外国語学校と、安陽市開発区高級中学との間で、姉妹校として「中日高校連携プロジェクト」の契約を交わしています。例年は両校の生徒たちが春休み中に互いの学校を訪問しあって交流するのですが、昨年はコロナ禍で実現できませんでした。しかし、「NEW STAGE」にあるように、本校から寄贈したマスク1500枚に対して中国から感謝のビデオメッセージが届けられ、現地の文化祭に海外からの招待作品として本校の文化祭の映像作品が出品されるなど、対面できない中でも熱い交流は続けられています。
また、昨年は新総合計画に盛り込まれていた第二校地グラウンドの人工芝化が完成。公式戦に使用できる夜間照明付きのサッカーコートとして日常の授業や部活動で使用できるだけでなく、地域にも貸し出しがされることになりました。
世界的なパンデミックとなった新型コロナウイルスの克服には、世界各国がお互いに理解協調し、協同していくことが不可決です。本校の掲げる「Think Globally,Act Locally」の精神は、コロナ禍を克服して21世紀を切り開く原動力になるものと考えます。
本校の創設者、新名百刀先生が建学時に掲げた二宮尊徳の報徳四訓と、「無くてはならぬ指折り仲間の人となれ」の校訓にあるように、旭丘の教育活動を通じて生徒たちが地域社会の要望に応え、未来を創る主権者となるように、今後ともに新総合計画を力強く押し進めていきたいと考えています。
オンライン修学旅行で長崎の心を訪ねる
多くの高校が修学旅行を中止する中、本校でも一度はこれを全面中止することを決定しました。しかし、保護者からも「被爆者の声・心の叫びを聞ける場を設けてほしい」という要望が全学協議会で上がり、そこで実現したのが、オンライン修学旅行でした。
オンライン修学旅行の日程は35年間のナガサキ平和学習の蓄積を、今年度実施学年の独自の事前学習を重ね2日間で行ないました。
1日目は被爆者の方から被爆体験講話で、生徒たちは、普通科はホールで、総合学科は第二校地の大セミナー室で画面から流れてくる被爆地の声に耳を傾けました。その感想を、ある生徒が50字メッセージにこう書いています。「被爆者の方が自分の体で体験した原爆。その痛みや悲しみを感じなければならない。あの時願った平和のために」。オンラインであっても、被爆者の方の声が生徒たちの心にしっかり届きました。
午後は、現地の研究者の方に解説をいただきながら、原爆資料館の見学。教師が手にしたビデオカメラが、原爆の悲惨さを伝えました。
2日目は碑めぐり。被爆者の池田松義さんに同行してもらい、爆心地から500mの位置にある城山小学校を訪ねました。池田さんは、「1500人の生徒のうち1400人以上が亡くなった。私は43名の内の一人のその生き残りです」と語り、原爆の熱線で校舎内まで焼け焦げた様子を語ってくれました。
被爆地と結んだオンライン修学旅行。池田さんは最後に、「本当は実際に見てもらうのが一番ですが、オンラインという形でも、原爆の現実を知ってもらえるのは長崎人として感謝したい」と、未来を築いていく生徒たちへのメッセージを述べてくれました。
中国 西安・安陽へマスクを贈る海を越えて熱い交流
「Think Globally,Act Locally」の種々を実践している本校では、以前からモンゴルからの留学生を受け入れたり、国際クラスで二十数カ国の生徒が学ぶ場を作るなど、教育の国際化推進に力を入れています。
中国の二つの姉妹校とは「中日高校連携プロジェクト」を交わし、これまで、生徒会や相撲部、剣道部、陸上部、演劇部、吹奏楽部の生徒たちが訪中して日中高校生文化交流をしたり、中国から来日した生徒たちが本校の生徒たちとともに、酒匂川の福沢神社で日中の深い関係を示す中国の伝説の「夏」の「禹王」の碑文を読み取る合同授業を行ったりしてきました。
春の交流訪問ができなかった昨年は、本校からは1月末に両姉妹校に各1500枚のマスクを寄贈。これに対して中国陝西省の西安外国語学校からは、感謝と連帯のビデオメッセージが届き、張校長からは、「貴校からの寄贈は、メディアなどを通じて多くの中国市民に知れ渡りました。この特別な時期の両校間の友情は、多くの西安市民を感動させました」とつづられています。また安陽の邢校長からも同趣旨の文が届きました。
生徒会からも要求ジェンダー平等の実現へ
昨春来から、本校においても制服のスラックス併用のことが静かなトーンで全校的話題になっていました。女子のスラックス着用に関しては、ジェンダー平等の観点が社会的なバックグラウンドになっているだけでなく、防寒対策、動きやすさ、危険回避などの点からも早急に考慮すべき問題とされ、選択制を導入する学校の増加という全国的な状況があります。
この問題に関して生徒会総務は女子のスラックス着用を認めるよう全学協議会などで学校に問い、さらに、今年度の文化祭では「この3年でモデルチェンジをした高校の4分の1が選択制になっている」といった情報を収集して展示。参加者の注目と支持を集めました。女子のスラックス許可の要求に関しては、学校としても、出来るだけ早い時期に実現できるよう対応していく方針です。
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