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市内柑橘農家 きこりとタッグで梅林守れ 整備から販売まで支援

社会

公開:2021年5月22日

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梅を収穫する山中さん(左)と秋澤さん
梅を収穫する山中さん(左)と秋澤さん

 小田原市沼代にある梅林を保全しようと、新たなプロジェクトがスタートした。沼代の「あきさわ園」の秋澤史隆さん(41)と大磯町で自伐型林業に取り組む「大磯きこりラボラトリー」を主宰する山中紀幸さん(44)がタッグを組み、梅林の整備から梅の収穫、販売まで携わる。

 あきさわ園は柑橘類を主とする家族経営の農家。3年前、近隣の梅農家が人手不足などを理由に離農することを知った秋澤さんは「長年守ってきた梅林。何とか残したい」と引継ぐことを決意。ところが、梅林は1ヘクタールの広さがあり、収穫量も約1トンと決して小さくはない規模。「梅林の経験もなく、家族だけでは限界がある」とSNSで助けを求めると、近隣をはじめ都内からの家族連れや農業を志す学生など200人以上から反響があった。そこで秋澤さんは、収穫などを手伝う代わり、果実を持ち帰る「きらくなのうえん隊」を昨年6月に立ち上げた。

林業の技術生かし

 活動を続けていく中での課題は梅林の管理。「無農薬ということもあり、手入れをしないとすぐに荒れ、イノシシなどの被害も怖い」と悩んでいたところ、共通の知人を通じて、山中さんが6月に訪ねてきてくれたという。「大磯きこりラボラトリー」は、平日は会社員、週末は山に入り里山の手入れを行う約70人による地域グループ。「自分たちの領域。技術を生かしたい」と協力を申し出た。草刈りやイノシシ対策の柵設置などの地道な活動を定期的に続け、ようやく5月の収穫を迎えた。「手をかけて育てた大切な梅」と仲間たちと喜びを分かち合った。

 のうえん隊ときこりメンバーで収穫した梅は、あきさわ園の直売所(沼代1215)のほか、「ししまいマルシェ」(大磯)など地域のイベントにも出荷。また、ネット販売にも対応する。青梅は6月5日頃まで、完熟梅は6月5日から6月28日頃までの販売を予定している。2人は「自然と人が共生する豊かな里山を次の世代につなげていきたい」と語った。梅の販売への問い合わせは【メール】chicoglilab@gmail.comへ。

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