日本酒を製造・販売する(株)RiceWine(本社・小田原市/以下・ライスワイン)と、愛知県の森山酒造が協力し7月、小田原市鬼柳の冷蔵倉庫内に酒蔵を新設する。完成すれば県内14蔵目、小田原市内では唯一の酒蔵となる。
ライスワインは代表取締役の酒井優太さん(36)が2018年に設立したベンチャー企業で、19年から自社ブランドの日本酒シリーズ「HINEMOS」を主にインターネットで販売している。
酒井さんは(株)リクルートの出身で、海外でITの仕事に携わってきた。息子の誕生を契機に独立し、17年に妻の実家近くの小田原市へ。海外のビジネス市場で勝負するために、日本の伝統産業である日本酒に着目し、HINEMOSの企画・販売を進めてきた。これまでは、大井町の井上酒造に委託醸造していた。
新設される酒蔵での酒造りは、愛知県から移転する森山酒造が行う。井上酒造で杜氏を担っている湯浅俊作さん(32)の実家が営む酒蔵で、このたび湯浅さんが12代目として父親から引き継ぐ。また、酒蔵を冷蔵倉庫内に設けることで、これまで寒い冬場にしか醸造できなかった日本酒を1年中造ることが可能となり、製造量を通常の3〜4倍に向上させられる。
HINEMOSは「時間に寄り添う日本酒」をコンセプトに、銘柄には「SHICHIJI」や「NIJI」など、日本語の時間が名づけられている。「味に多様性があるので、好きなものを選んでもらえたら」と酒井さん。現在、8銘柄が展開されており、20年12月に発売された170ミリリットル8本セットは1万本が即完売するなど人気を博している。都内を中心に飲食店100店舗にも販路を広げており、今後は海外での販売を増やしていく予定だ。
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