小田原市在住で、脳性まひを抱えるバイオリニスト・式町水晶さん(25)が10月27日、市立前羽小学校で開かれた講演会に講師として参加した。市内の小学校で講演するのは初めてという。
式町さんは、5・6年生約40人に向け「夢をもって生きる」をテーマに講演した。
小学4年生までは特別支援学級に通っていた式町さん。当時は体の動きをコントロールするのが難しく「落ちた筆箱を拾うのも大変だった」という。5年生からは障害のない児童と同じ学級で学んだが「ほかの子たちは皆僕より体力があり、ウルトラマンみたいに見えていた」と振り返る。
その後、学校でいじめを受けた経験談や、バイオリニストとして自立し、さまざまな大舞台に挑戦してきた話なども交え「バイオリンの弦は張り過ぎると切れてしまう。人の心も頑張り過ぎると壊れてしまう。頑張り過ぎず、友だちとのかけがえのない時間を大切にしてほしい」と呼び掛けた。
また、バイオリンを取り出し、自身で制作した曲などを披露。児童たちは目の前で繰り広げられる演奏に聞き入り、大きな拍手を送っていた。
児童の1人は「本当にコンサートに来たみたいだった。チャレンジを続ける式町さんはすごい。私の夢は建築士になること。今日の話を参考にしたい」と話した。
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