秋晴れの下、笑顔で記念撮影する親子とそれを見守る地域の人たち-。小田原市扇町の白山神社で11月7日、第44区自治会(米山一自治会長)が約50年ぶりの「七五三詣り祈願祭」を開催した。
現在65歳の米山自治会長の家には、1枚のモノクロ写真が残っている。組内の七五三詣りを写したもので、神社の前で千歳飴の袋を持つ子どもとその親たちが並んでいる。「自分の七五三の時の写真ですが、まだ小さかったから覚えていないですね」と笑う。
白山神社での組内の七五三について正式な記録は残っていないが、地元の人の記憶から推測すると50年ほど前に途絶え、以降は行われなかったことになる。
コロナの影響で同自治会でも、昨年から秋祭りなど地域行事の規模縮小や中止が続いた。自治会役員らで「何か地域が明るくなることができないか」と思案する中で上がったのが、七五三詣りの復活だ。7月に回覧板や公民館のネットなどを通じて自治会や近隣の保育園などに告知し、親子4組の参加が決まった。
当日の実施内容も「誰も覚えていないし、記録もない」ということで、一から考案。境内では、地域で受け継がれている小田原囃子多古保存会と白山中学校吹奏楽部が演奏を披露、白山神輿會は木遣りで晴れの日を祝い、社殿では宮司が祝詞をあげ子どもたちの健やかな成長を祈願した。
参加した佐野悠人君(4)の父・俊祐さんは「50年ぶりということで貴重な体験ができた」、母・智子さんは「自分も子どものころ多古保存会に入って、この神社でも演奏していました。地域の皆さんに感謝しています」と笑顔で話した。
米山会長は「昔に比べて子供会の活動なども少なくなっている。地域の行事として、来年以降も続けていきたい」と話した。
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