二宮町との境、小田原市東部地域で栽培されている「下中(しもなか)たまねぎ」の人気が高まっている。年々浸透してきた認知度に加え、今年は全国的な玉ネギ価格の高騰を受け、地元の美味に大きな注目が集まっている。
一定の品質や出荷基準を満たす農産物などが登録される「かながわブランド」に認定されている小田原たまねぎ。その中でも下中たまねぎは、相模湾から吹き込む風が生み出す昼夜の寒暖差と粘土質の土壌という地域性により、甘みが強くジューシーな味わいが魅力の特産品。現在は40軒を超える生産者がおり、年間で約500トンを出荷している。地元スーパーやJAかながわ西湘の農産物直売所「朝ドレファ〜ミ」などでの販売や都心への出荷、インターネット販売で販路を徐々に広げてきた。
これまでは全国的に流通している玉ネギよりも若干割高で、出荷量も限られていた下中たまねぎ。しかし今年は玉ネギの一大生産地、北海道が不作となったことなどにより、一般価格が高騰。これまでのファンに加え、多くの消費者が地場産玉ネギに注目し、一気に需要が高まった状況だ。
出荷直後から注文殺到
ネット販売や地元直売所を展開するなど、下中たまねぎのブランド向上を地域内外に発信してきた農事組合法人「俺たちのファーム」(市内沼代)でも出荷開始をアナウンスした5月中旬以降、ネットや電話での注文が殺到。約2万平方メートルの畑地で完熟期を迎えてから収穫した約120トンが早々に底を尽いた。
同法人の林やすなり代表理事は「例年並みの収量となる見込みだが、通販分は販売を終了した。直売所も臨時休業せざるを得ない状況」という。JAもネット販売を既に終了しており、現在は一部店舗で販売されているのみ。今年はひと足早くその姿を消しそうだが、一方で多くの家庭に”地元の美味”が届いているのかもしれない。
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