書業50年、還暦の個展を開く 大島 修穂(しゅうすい)さん(本名:大島 雅文) 小田原市栢山在住 60歳
さらなる高みへ、一途に
○…全紙6枚つぎの大作に記した文字は『書一途』。書道とともに50年、そして還暦という節目を迎え11月に個展を開催。新作、代表作のほか学生時代の作品も並べる予定だ。「夢を結実することができた50年だった」と、これまでの道のりを思い返し感慨深げ。
○…公務員の両親のもとに生まれた一人っ子。小学4年生で書道教室に入ったのは「母いわく、落ち着きがない性格を直すため」。何となく続けていた中学2年生の時、競書展で学年最高賞に選ばれ人生初の表彰式に。拍手に包まれ誇らしく、「今思うと、スイッチが入った」という。小田原高校では、応援団に所属し「あの頃は硬派がもてたんですよ」と笑う。テストや文化祭より稽古を優先する高校生活を過ごし、3年生で書道専門学校への進学希望を親に伝えた。「就職はどうするの」と考え直すよう諭されたが決意は揺るがず、書道が学べ教職の道もある二松学舎大学に進学、夜に専門学校に通うことで承諾を得た。「あの時の両親の深い理解に感謝している」としみじみ。
○…高校卒業前、書の恩師の内弟子になり、一つ屋根の下で書への姿勢を学んだ。遊びの誘いも断り修業を積んだ青年時代、自身が書道会を主宰する50代前半まで続いた下積みの日々。過去の自分へかける言葉を問うと「よく書の道に進むと決めた。よく頑張った、でしょうか」とほほ笑む。
○…双子の娘は高校生で「思春期真っ只中ですよ」と、寂しそうな父の顔もちらり。個展では娘の命名に関する作品も展示する。書道会は現在会員約300人で、これから次代への後継者育成にも取り組む考えだ。「還暦は通過点。さらなる高みを目指して精進したい」と力を込める。個展は、小田原市の飛鳥画廊で11月2日〜6日。
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9月28日~11月5日