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小田原機器の運賃収受機 グッドデザイン賞を受賞

経済

公開:2022年11月12日

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運賃収受機と(左から)丸山社長、管理部の森田貴洋さん、鈴木さん、技術部長の田中廣介さん
運賃収受機と(左から)丸山社長、管理部の森田貴洋さん、鈴木さん、技術部長の田中廣介さん

 株式会社小田原機器(小田原市中町・丸山明義代表取締役社長)が製作した「RX―FCM型 運賃収受機」がこのほど、グッドデザイン賞に選ばれた。バスの小型化や運賃の支払い方法の多様化が進む中で、デザインで変化に対応した点が評価された。

ニーズに応える

 運賃収受機はバス利用者が乗降車時に運賃の精算を行う機器。同社が国内シェア約40%を占めている。6代目にあたる今回の受賞機器は約3年かけて改良が進められた。

 「バス会社からは、とにかく小さいものが喜ばれる」と設計のチームリーダー鈴木康史さん。小型軽量化のため、20年以上使っていた現金処理ユニットを刷新し、従来の板金から樹脂に素材を一部変更。また円弧をつなぐ一体感のあるデザインに仕上げた。これにより、通路周りにゆとりが生まれ、燃費向上につながる。またクレジットやICカード、二次元バーコードなど決済方法の多様化に対応したほか、操作タッチパネルを大型化するなど、運転手の操作性も向上させた。同機は2021年冬から東北地方を中心に使用が開始され、現在は全国で順次導入が進んでいる。

 外見からは改良箇所が分かりにくいため、審査会では古い機器との比較や動画でのPRなど工夫をした。「利用者への優しさを探求したミニマルな具体性」と評価され、丸山社長は「客観的な評価をいただき力になった」と喜びを表した。

 渋滞緩和や二酸化炭素の排出量削減として公共交通機関の利用が推進される一方で、路線バスの減便や廃止は相次ぐ。丸山社長は「バス事業者だけの努力で路線を残すのは難しい。今後も公共交通に役立つものを作っていければ」と話した。

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