音楽ボランティア活動が500回目を迎える 平井 吉宜(よしたか)さん 小田原市北ノ窪在住 78歳
歌と笑いで喜びを
○…音楽ボランティアを続けて18年。楽器奏者と介護施設などを訪問し、施設利用者と一緒に歌唱を楽しむ場をつくってきた。「皆さんに歌っていただく動機づけをしているだけ。私たちの演奏会ではない」と利用者目線で、その日楽しく歌える曲を約150のレパートリーから選ぶ。月約3回のペースで開催し、1月末には500回目を迎える。「振り返ると、よく続いたもんだ」
○…「会社員時代は人一倍働いた」。定年退職後は趣味の写真に没頭するはずだったが3カ月ほど経った後「これがずっと続くのか」と立ち止まった。母が認知症で施設に入所したことを機に介護の資格を取得。通所介護施設に勤めた。その後アコーディオン奏者と出会い「ここから音楽ボランティアが始まった」。関係者らの間で評判を呼び市外の施設に訪問することも。忙しくも充実した日々を送る。
○…生まれも育ちも小田原で、25歳から北ノ窪に。地域の祭りに参加した時「お囃子の音源をラジカセから流していた」。ここに寂しさを感じ、自分たちで演奏しようと1984年に小田原囃子北ノ窪保存会を立ち上げた。「40年も教えていると、子どもが親になり、その子どもが習いに来る」と感慨深い表情。
○…「しゃべりが好きでね」。演奏会では、時代背景などを交えながら曲を紹介している。場の雰囲気をくみ取りギャグを挟んだり。―老化を防ぐには帽子(防止)をかぶると良い―。「笑えなくてもそれがまたギャグになる」。笑い、笑われ、この明るさで場の緊張がほぐれる。「500回は一つの区切り。まだ決めていないけど、元気なうちは続けていこうかな」。手持ちのギャグは現在進行形で増えている。これからも人に笑いと喜びを届けていく。
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