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湯河原温泉観光協会 宴の裏方、今年もそっと ホタルの成長見守り

経済

公開:2023年5月20日

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水路で幼虫が食べたカワニナ(巻貝)を確認する富岡さん
水路で幼虫が食べたカワニナ(巻貝)を確認する富岡さん

 水の清らかな湯河原ならではの初夏のイベント「ほたるの宴」が5月30日(火)から6月14日(水)にかけて、万葉公園湯河原惣湯で開かれる。水際にゲンジボタルが舞い踊る幻想的な光景を求め、ピーク時には1日1000人が来場するという一大イベント。湯河原温泉観光協会の職員が幼虫から成虫になるまでホタルの成長を毎年見守っている。

 同イベントは、ホタルの生息地として知られる同町の河川(藤木川、千歳川、新崎川)を観光資源にしようと40年以上前から続けている。当初は藤木川にかかる不動滝で開催されていたが、20年ほど前から万葉公園に会場を移転した。

 公園内にはホタルを飼育する小屋があり、毎年専門の業者が6月から翌年3月まで飼育。3月上旬に湯河原小学校の児童により約2500頭の幼虫を公園内の散策路の横にある水路に放流している。

 5年前にホタルの担当となった同協会職員の富岡毅さんは、放流前に小学校に出向きホタルの生態を伝える授業も実施。「産まれた時から光る酵素を持っているので、実は卵の時から光っている。成虫は水しか飲まないデリケートな昆虫。水がきれいじゃないと生きられない」と自然の大切さを児童に伝えている。

 5月は放流した幼虫が川から上がり、土の中で蛹となる時期で、成虫になれるのは、放流した内の500頭ほど。強い光を苦手とするため、水路周辺の照明を落とすほか、踏まれないように水路近くには柵を設置するなど、ホタルを守る工夫を施している。例年5月20日頃に初飛行が観測できることから、「夜も気になって歩いてます」と富岡さん。発生状況は協会のホームページにも随時アップしている。富岡さんは「梅雨時期でも、湯河原を楽しんでもらえれば」と笑顔で話した。

ピーク時には200〜300頭のが飛行(昨年)
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