小田原市在住の槇紗加(さやか)さん(24)が、就農に必要な2年間の研修を終え、5月に「はれやか農園」を開業した。市内石橋・早川・江之浦地区に約60アールの農地を借り、レモンなどの柑橘類やキウイを栽培している。
同市農政課の担当者によると「(小田原市の)新規就農者のほとんどが40〜50代の男性。槇さんは20代の女性なので、近年では珍しい事例」という。
農業を志すようになったのは大学生時代。農業ドローンの研究をする友人に連れられ農家を訪れたとき、若者の農業離れによる後継者不足、耕作放棄地の問題などを目の当たりにした。
農林水産省の食料・農業・農村白書によると、日本における農業従事者数の約7割が65歳以上で、毎年約2万ヘクタールの農地が失われている。小田原市でも、農家が高齢化し、若手の参入が少ない(同市農政課)。槇さんは「自分がやったら何かが変わるかもしれない」と、自ら実践の場に身を置くことを選んだ。
傾斜地で営農
後継者不足が特に深刻なのは傾斜地。トラクターなど大型の農業機械を使うことができないため、体力仕事を機械で代替できず、また生産性の向上も難しい。これらの問題と正面から向き合おうと、あえて農業が衰退している傾斜地の多い環境で研修を始めた。
新規就農のひとつのハードルは農地探し。槇さんは、自身の農園開業に向け、地域の農家とつながりのある研修先の矢郷農園(矢郷史郎代表)らの協力を得て農地を借りた。念願の土地を手に入れたものの「花粉をつけられていない」「枯れた木を伐採できていない」など、見渡せば多くの体力仕事がある。それでも「困ったらいつも助けてくれる矢郷さんたち」の支えを受けながら、個人事業主として営農している。
所得が安定するまでの補助金を申請するため、現在5年間の事業計画を作成中。当初から目標としている「レモンサワーが飲める観光農園」の実現に向け、中沢酒造(足柄上郡松田町)とのコラボでレモンリキュールの新商品も試作中だ。若手ならではの発信力で農家の垣根を越えたつながりを生む槇さん。「若い人にもっと興味を持ってもらえるようになれば」と話している。
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