知的障害のあるアスリートが出場する4年に1度のスポーツの祭典「スペシャルオリンピックスワールドゲーム」が6月にドイツのベルリンで開催され、小田原市在住の吉本敦さん(36)がボウリング競技のダブルスで金メダルを獲得した。
吉本さんは、小学3年生のときに学校の3階から転落し、高次脳機能障害を負った。歩くことやひらがなの読み書きがままならない時期もあったが、家族や周りの人の支えで復活。進学先の旭丘高校でボウリング競技と出会い、のめりこんだ。
昨年の全国障害者スポーツ大会では4ゲーム751スコアで優勝するなど、国内トップレベルの実力をつけた。今大会の予選も順調に勝ち抜き、初の世界大会への挑戦権を獲得した。
ダブルスは健常者と組む規定があり、相手は義理の弟である佐藤創太郎さん(33)が快く引き受けてくれたという。「ベルリンまで付いてきてくれて感謝しかない」と吉本さんは話す。
今大会には、190カ国から7000人以上の選手が出場。「スタジアムが大きくてびっくりした」と大会の規模に圧倒されたという。「ギャラリーがいるところで普段投げないので緊張してガタガタだったが、ペアの佐藤さんがフォローしてくれて金メダルを取れた」と振り返った。
海外の選手との交流もひとつの思い出。コミュニケーションを取るために折り紙や扇子、日本のお菓子などを持っていったという。「英語は分からないけど、スキンシップを取って交流し、ピンバッジをたくさん交換した」。次の目標は4年後のオーストラリア大会。「日本にももっと障害者スポーツが広がってくれれば」と話した。
小田原・箱根・湯河原・真鶴版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|