「小田原紙器工業株式会社」(高橋康徳代表取締役社長・42)が、5月に小田原市の味噌蔵「加藤兵太郎商店」を子会社化した。また、南足柄市の「なんかいファーム」の子会社化に向け手続きを進めている。開成町に建設中の新工場を拠点に、原料の大豆栽培から、伝統の味噌づくりが始まる。
小田原紙器工業は、小田原市で紙器・紙加工品などの企画・製造・販売を手掛けるメーカー。コロナ禍で打撃を受けた県西の企業を支援しようと名産品を集めた販売サイト「おだはこさん」も展開している。高橋代表は「土産品の箱の受注が激減する中で、箱だけではなく、その中身を自ら作る必要性がある」と考えていた。
「この先また100年」
加藤兵太郎商店は、「いいちみそ」ブランドで知られる小田原で170年以上続く、昔ながらの木桶による熟成にこだわった味噌蔵。販売は伸びていたものの、製造工場の老朽化が近年の大きな経営課題となっていた。7代目の加藤篤さん(39)は、「大規模な修繕や移転する投資はできない。もう店をたたむしか…」と思い悩んでいたという。そんな中、昨年冬、地元の金融機関の紹介で両者が出会った。
高橋代表は「長く続いてきた伝統を失うのは地域にとっても損失」と、開成町に新たに自社工場を整備していたタイミングもあり、子会社化と味噌工場の移転を提案した。加藤さんは「思ってもみないこと。断る理由もない」と即断。加藤さんはそのまま経営に携わり、職人たちも継続雇用となった。工場移転後も木桶による醸造を続けることが可能となり、加藤さんは「この先また100年、味噌づくりができる」と笑顔で話した。
新工場前に幻の大豆
今年に入り、高橋代表は南足柄市と開成町で米と大豆を栽培している「なんかいファーム」の清水洋さん(66)と知り合った。「販売先も先細り、後継者もいないため廃農も考えていた」と清水さんから紹介された畑は、開成町の新工場の目の前。しかも、栽培していたのは加藤兵太郎商店の代表的な味噌「神奈川ブレンド」の原料で、生産量が少なく”幻の大豆”とも言われる「津久井在来大豆」と判明。「こんな偶然はない」と3人は意気投合。同ファームの子会社化も進めており、すでに大豆の種植えも7月に実施した。
高橋代表は「3者で協力し、県西の魅力を全国に伝える事業にしていきたい」と話した。新味噌工場は来年春に完成予定。
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