学生横綱の称号を手に昨年11月の九州場所で初土俵を踏み、5勝2敗で勝ち越した旭丘高校(水野浩理事長・学校長/小田原市)出身の阿武剋(おうのかつ)(阿武松(おうのまつ)部屋・本名/バトジャルガル・チョイジルスレンさん・23)。2024年の年男は「龍(辰)のように上昇していきたい」と抱負を語る。
モンゴル出身で、相撲を本格的に始めたのは2016年に同校留学第1期生として来日後。それまでは数学に打ち込み、日本の大学で学びたいと将来像を描いていたところに舞い込んだチャンスだった。「日本に行けるチャンス。新しいことにも挑戦してみたかった」と同校がモンゴルで開いた選考会を受け、日本行きの切符をつかんだ。
来日後は苦労の連続だった。親元を離れ、言葉も環境も違う中で本を片手に指差しながらコミュニケーションを図る日々。「稽古もきつくて毎日くたくただった」。その中で監督やチームメート、地域との交流を重ねる中で、日本での生活に慣れていくとともに相撲の才能も開花。高校3年生時にインターハイで準優勝、国体では神奈川チームの一員として県勢初の準優勝に貢献するなど活躍し、卒業後は日本体育大学へ進学した。
力を試したい
大相撲入りを志したのは、大学3年生のとき。仲間が進路を決めていく中で、改めて自分に向き合った。自分の力を試してみたい―。スイッチが入った瞬間だった。
「全勝優勝を目指す」初場所へ向け決意あらたに
稽古にも一層力が入りそれに比例して成績が伸びたものの、「(全国の)頂点が取れなかった」。そして迎えた大学生活最後の「全国学生選手権」で、念願の学生横綱の称号を手にした。
人生で最も緊張
幕下15枚目格付け出しで臨んだデビュー戦は黒星スタート。「自分でも分からないほど、人生で一番緊張した」と振り返る。その後は落ち着きを取り戻し、5勝2敗で終えた。「勝ち越せたが悔しさの方が大きい。もっと稽古を積んで実力を高めたい」と前を向く。
第二のふるさと
昨年11月下旬、母校相撲部の祝賀・激励会に出席するため、小田原を訪れた際、家に帰って来た気持ちになったという。母校の寮(早川)に前泊し、「懐かしくて(祝賀・激励会会場の)高校まで歩いてみました」と笑顔を見せる。青春の味は、高校在学中に食事の世話をしてくれた「あぶりや」(早川)の寸胴鍋に入ったカレー。「疲れた体に染みて、3杯は食べたな」と目を細める。
今年の初場所の目標は、全勝優勝。まずは大相撲で一人前と言われる十両(十枚目)昇進を目指す。師匠からもらったしこ名「阿武剋一弘」は、高校の恩師・岸田光弘監督と大学の恩師の齋藤一雄監督の一字に加え、「自分に打ち克つ」という意味を込めた『剋』が使われており、期待も大きい。「小田原のみなさまに良い報告ができるよう頑張りたい」。周囲への感謝の気持ちを胸に、自分の可能性を信じて前へと進む。
![]() 九州場所に挑む阿武剋(阿武松部屋提供)
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