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【Web限定記事】 春の訪れを俳句で表現 小田原梅まつり俳句大会 入賞作品決まる

文化

公開:2024年3月9日

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 「第60回小田原梅まつり俳句大会」が2月に、おだわら市民交流センターUMECOで開催された。

 主管は小田原俳句協会(池田忠山会長)。池田会長は約60人の来場者を前に「能登半島地震で被災された方に心を寄せながら、きょうのひと時を楽しんでいただきたい」と挨拶した。この日は事前募集した兼題の部(506句・157人応募)の入賞作品発表と表彰、当日の出席者による大会「席題の部」が行われた。入賞作品は以下の通り。※敬称略

 ▷兼題の部(梅、春待つ)

神奈川県知事賞/春待つや何度も背負ふランドセル(原田絹代)、小田原市観光協会会長賞/寡黙とは男の鎧梅真白(岡本保)、神静民報社賞/やはらかに息づく闇や梅ほのか(竹本もりえ)、小田原俳句協会会長賞/梅月夜蔵方寸の明り取り(荒理依子)、小田原俳句協会賞/春待つや色鉛筆の二十色(木村幸枝)、新調の杖は花柄春を待つ(一ノ瀬茂代)、制服のマネキンずらり春を待つ(高橋千代子)、日溜りに声の集まる梅三分(中根登美子)、玄関の隅に春待つスニーカー(若村京子)、折れてなほ咲く老梅の底力(小林梢)、球児等の素振百回春を待つ(日高朝代)、濃く淡く紡ぐ歳月梅真白(中根登美子)、春待ちのまだ仮縫ひの山野かな(諸角和彦)、梅の香や心音聞えそうな空(中村昌男)、八十路にも眩しき未来梅咲けり(加藤かほる)、春待つやスマホも山も充電中(長谷川昭放)、梅日和酢を打つて飯輝かす(諸角和彦)、梅の香や風に音符の生まれたる(近藤久江)、絵の具とく水の匂ひや春を待つ(大澤秀子)、名工の言葉すくなし梅かほる(奥村ゑこ)、小田原俳句協会名誉会長佃悦夫特選/春を待つ時計の中に鳩が飛ぶ(竹本もりえ)、小田原俳句協会顧問大石雄介特選/羽広げ春を待つらん鷹ポッポ(佐藤月下)、小田原俳句協会会長池田忠山特選/橅に耳当てて少年春を待つ(西賀久實)、零俳句会代表岡本史郎特選/紅梅や姉の十九は挺身隊(中村三惠子)、鷹俳句会小田原代表村場十五特選/待春や白から並ぶ絵の具箱(岡本保)、沈丁俳句会代表寶子山京子特選/電車より見し梅林の只中に(高橋すみ)

 ▷席題の部(土筆、春季雑詠)

小田原市長賞/春浅し海鳴りを聞く千枚田(北村文江)、小田原商工会議所会頭賞/なんとなく春のポケット裏返す(杉山あけみ)、小田原俳句協会会長賞/土筆つみガリバーとなり立ち上がる( 加藤かほる)、4位/山笑ふ三本だけの歯を磨く(奥村ゑこ)、5位/川音に駆け出しさうなつくしんぼ(大澤秀子)、6位/初音聞きけふは良き日と疑はず(陌間みどり)、7位/摘むたびに子の見せに来るつくしんぼ(肥後ちさこ)、8位/先生に土筆一本登園児(鈴木ひふみ)、9位/引鶴や雲流れゆく水の空(荒理依子)、10位/一日一生ふんばれ揚雲雀(菅野英余)、11位/春の雷金平糖を嚙み砕く(川本育子)、12位/春動く人智及ばぬところから(酒井天敏)、13位/春大根包む「大谷」号外紙(長谷川きよ志)、14位/しんがりはをなご先生つくしんぼ(岡本保)、15位/掘り起こす瓦礫に光るつくしんぼ(内田知江子)、16位/土筆原牛の匂ひの風少し(新井たか志)、17位/しんしんとセイジオザワに春の雪(寶子山京子)、18位/地震の地の復興遅し土筆の子(須田聡子)、19位/雲雀あがり吾子の尿のきらきらす( 芹澤常子)、20位/ものの芽や転べば人の駆け寄り来(村場十五)。

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