小田原市所有の歴史的建造物「清閑亭」(南町1の5の73)の建物を活用した飲食店が3月25日(月)に営業を開始する。運営するのは小田原市、箱根町を中心に飲食店を展開する株式会社JSフードシステム(市内入生田、田川順也社長)。
清閑亭は、明治から大正時代に貴族院議員を務めた黒田長成侯爵の別邸として1906年に建設。数寄屋風造りの木造家屋で、2005年に国有形文化財に登録されている。
08年に市所有となってからは、市から委託を受けたNPO法人によって建物見学や文化イベント、まち歩き企画などで利用されてきた。一方で、維持管理を含めた委託費は10年間で合計1億円超となっていた。
市は21年、施設の利活用案を民間提案制度として募集。9者の中から同社の「小田原別邸料理 清閑亭」が選ばれた。市は同社と土地建物賃借契約を交わしている。契約期間は10年間。
オープンに先駆け3月13日、報道陣向けの内覧会が開かれ田川社長が概要を発表した。コンセプトは「観光拠点にもなる小田原の迎賓館」。小田原別邸料理の定義は、二十四節気・七十二候を基本にした和洋折衷料理、小田原の伝統工芸品を使い歴史を感じるおもてなし空間を演出するなどと説明した。別邸料理コースは1万2100円(税・サービス料込)ほか。また、黒田長成公が筑前福岡藩主であった黒田家の当主だったことにちなみ、福岡県から招いた料理人が調理する「本場の味」という鶏の水炊きも揃えた。
また蔵を改装したカフェでコーヒーや甘味、軽食などを提供するほか、2階では体験ワークショップや伝統工芸品の展示販売も展開する。店舗利用者には施設保全協力金550円の協力を依頼する(任意)。
内覧会であいさつした守屋輝彦市長は、「歴史的な建物を維持管理していくためには、費用を捻出していくかも大きな課題のひとつで、事業者の方にも理解いただいた。いろいろなところにこの知見を生かしていきたい」と話した。
営業時間は午前11時〜午後3時/5時〜9時(カフェは5時まで)。
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