議会報告 地方自治の本旨を守る 小田原市議会議員 城戸さわこ
皆さんは3月1日に「地方自治法改正案」が閣議決定されたことをご存じですか。この改正案には、国による地方自治体への不当な介入を誘発する恐れがある条文があります。発動条件の記載が不明瞭で、国の認識下でその曖昧な条件が満たされると、閣議決定のみで指示権の行使が可能になるため濫用の恐れがあり、これは日本弁護士連合会や全国知事会らも問題視しています。
時代の流れに反して、中央集権的な体制強化を助長するもので、地方の公務員や議員にとって決して他人ごとではありません。みすみす自身の職能放棄に当たる改正案を容認してよいのか、私は市議に働きかけました。
そして、地方議会から異議を唱えるべく3月定例会で「地方自治の本旨を守ることを求める意見書」の国会への提出を提案しました。問題点を理解いただいた10人の市議から賛成を得られましたが、過半数に届かず否決。力及ばずでした。
国への信頼が即ち無批判に追従することであるとは思いません。対等な協力関係を維持していくためにこそ、現場を知る地方の声は国に届けられるべきです。今回の改正案は憲法改正草案第95条と無縁であるとは考えられず、両方が施行すると国は独断的かつ法的に地方自治体の「財産管理」「行政執行」「事務処理」の権限全てを掌握できる力を持ちます。私の総括質疑で出した問題で、国防や市民生活に打撃を与える内容とも無関係ではありません。もはや独立した団体として地方自治体が機能しなくなるのではないか、この危機感を共有すべきと考えます。
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