県立小田原高校出身で昨年11月に亡くなった脚本家、山田太一さんの企画展が同校中等教育史料館で5月12日(日)から始まる。高校時代のエッセイや近年行われた講演会の様子などを展示し、山田さんが大事にしていた同校との関わりを知ってもらおうという企画だ。
企画展「小田高とシナリオ作家 山田太一」は同日実施の樫友祭(同校ホームカミングデー)に合わせて開催するもの。
例年、中等教育史料館ではOBらによる史料委員会メンバーが1年を通じた企画展を実施。史料委員会の仮野慎一委員長(63)は「次の内容を昨秋から検討しているなかで山田さんが亡くなり、次はこれしかないと決まりました」と振り返る。
浅草生まれの山田さんは小3時に強制疎開で湯河原へ。映画を愛する文学青年として同校卒業まで県西で暮らした。
今回の企画展では文芸部時代に山田さんが書いたエッセイ「十八歳のファルス」や小田高新聞に寄せたコラムに加え、PTA名簿など当時の資料約40点を展示。1981年と96年、100周年を迎えた2001年に同校で行われた山田さんによる講演会の様子も動画で紹介する。
「青臭さ持ち続けろ」
同館では現在、企画展に向け展示資料の整理が行われている。仮野委員長は「講演では『高校生位から青臭さを嫌い大人になってしまうが現実を変えることは青臭く、大人では変えられない。何歳まで青臭い理想論を抱えていられるかがその人間の値打ちでは』と思いを後輩に伝えてくれた」と山田さんについて語る。企画展では作家としての全体像ではなく、母校との縁を大事にしたOBとしての山田太一像を伝える。同展は来年4月末まで開催。初日以降は事前予約制となる。(問)仮野委員長【電話】090・4726・1925
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