民俗芸能などを研究する三上芳範さん(昭和女子大学大学院博士後期課程、南足柄市在住)がこのほど、小田原市指定有形民俗文化財の「田島人形」について研究し、報告書を作成した。
田島人形は小田原市田島に伝わった人形芝居の一座とその道具で、明治から大正時代まで活動したとされている。田島人形に関する研究はこれまで、残された道具や伝承に基づき進められ、史料がないとされてきた。
三上さんは公文書や神社の祭礼に関する収支記録などを調査。その結果、「関東大震災により廃絶した」という伝承を裏付けると思われる史料が検出でき、田島人形の具体的な活動時期を文献から考察することができた。
三上さんは元小田原市役所職員で、文化財課で働くなかで地域の芸能に興味を持ち、現在は同大学で研究を行っている。
今後について三上さんは「地域の人形芝居の歴史を明らかにすることで、全国的な芸能の姿・あり方を明らかにしたい」と意気込んだ。
三上さんの報告書は「小田原市郷土文化館研究報告」の最新号(60号)に収録されている。同報告書は税込750円、郷土文化館で販売。(問)同館【電話】0465・23・1377【メール】kyodo@city.odawara.kanagawa.jp
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