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加藤市政、「一円融合」へリーダーシップを デスク・レポート

政治

公開:2024年6月1日

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 ▼2万票以上の大差で市長への返り咲きを果たした加藤憲一氏。市職員への訓示で発言した「圧倒的な民意」は、ブランク後の市政運営にも勇気づけられる結果だろう。大方針の「いのちを守り育てる地域自給圏の創造」とともに、人口減少や少子高齢化、経済回復など待ったなしの地域課題に果敢に取り組んでもらいたい。

 ▼再登板の機会を得る首長は稀だ。耕作放棄地を開墾してのブドウ栽培や大学の教授職など、市政を離れたことでの気づきもあったという。マニフェストの重要テーマは自然環境や農の保護再生、弱者への寄り添い、人や地域コミュニティーづくりなどこれまでと一貫している。一方、過去に不満の声もあった経済振興策は、短期、中期、長期の時間軸で、農林水産とものづくりを土台とした産業構造の強化、新規産業の育成などを掲げる。何を守り、何を変えるのか。加藤市政の第2幕を注視したい。

 ▼繰り返し訴えた「誠実でまっとうな市政を取り戻す」。そのひとつがトップダウンの守屋市政に対し、職員や市民と議論を重ね市政に反映させる手法だ。意思決定のスピード感は劣るが「議論を経て必要な解決策を見出すことが重要」と強調する。加藤氏が描く将来像の実現には、丁寧に土台から作る必要があることは理解できる。あえて言うが、同じ結論でも時機を逸すると価値を損ねることがある。また市長の立場だからこそ、多数派の意見と異なっても進めるべきことがあるはずだ。時にはトップとして英断を下し、力強くまちづくりを進めてほしい。

 ▼分断の融和も大きな課題だ。選挙では加藤、守屋両陣営が互いの”違い”を強調した論戦を展開した。呼応するようにSNSなどでは、応援だけでなく誹謗中傷ともいえる情報も飛びかった。選挙結果には自民党への逆風も影響し、「圧倒的な民意」といっても支持の度合いには濃淡がある。政治姿勢に二宮尊徳の「一円融合」を掲げる加藤氏には、守屋市政の遺産も是々非々で判断してほしい。「ツケを未来に回さない」ことは、財政はもとより、まっとうな地方政治に不可欠だ。大きな民意を包み込むリーダーシップにも期待したい。

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