妻に代わり、急きょシェアハウスの管理人を務めることになった堅物夫がさまざまな登場人物と織りなす人間模様――。
小田原シネマ館で上映中の『シェアの法則』公開初日となった8月2日、主演を務めた小野武彦さんが舞台あいさつに登場した。三谷幸喜作品や『踊る大捜査線』シリーズなどで人気を博し、現在も舞台やテレビで活躍する小野さんに話を聞いた。
小田原は中谷美紀さん主演のドラマ『恋するトップレディ』(2002年)で、市役所に3カ月間撮影で通った場所。「市役所が閉まる土日に来ていましたね。助役を演じたので議場での撮影とかよく覚えてます」
今作は映画初主演だが、「テレビや芝居で主演はありましたが、映画は初主演。とはいえ多彩な住人の物語がある群像劇なので、肩ひじ張らずに”欠点だらけの等身大”を演じました」と自信を覗かせる。
「大切なのは認め合うコミュニケーション」
年齢も職業も、国籍も違う住人や家族と管理人の関係がいくつかのドラマを通じて変化していく。「それぞれの背景や価値観が違う中でコミュニケーションや、相手の立場を認め合うことの大切さが伝わる物語。主人公の変わっていく姿を共有してもらえたら」。
『踊る〜』から人気を博したスリーアミーゴス(小野さんと北村総一朗さん、斉藤暁さんの3人組)など、とぼけた役でお馴染みの小野さん。「コミカルな役が元々好きで。主人公の様な頑固さはないと思っていたんですが、妻からは『似たり寄ったりよ』って言われてます…」と苦笑い。
続編も決定
8月に82歳を迎えたが、出演オファーはひっきりなし。同世代に向けて一言を訊くも「忙しくてエールを送っている暇もない。お互い健康に気をつけて頑張っていきましょう」と大きく笑う。「私は人に恵まれてきた人生。好きな人と深く付き合い、そこから幅が拡がっていったと思っています。人との付き合いは自分にとってもコミュニケーションが大事だと思っています」
公開から約1年。各所で上映が続く中で、愛着も生まれたという『シェアの法則』。「主人公のその後を描いたミニ作品を作ることが決まって台本ができたところ。またどこかのタイミングで楽しんでもらえたら」。今後も明るく活発に、俳優活動を続けていく。
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