34年前に小田原城で開催された野外彫刻展の作品が展示される上府中公園(小田原市東大友)で10月2日、同公園を管理する市事業協会らが市民参加型の鑑賞ツアーを初めて行った。作品の魅力を再認識する機会を作るねらいだ。
小田原城野外彫刻展は、市制施行50周年記念事業「ときめき小田原夢まつり」の一環として1990年、県との共催で開催された公募型の野外彫刻展。応募数352点の中から、入選作品20点が城址公園内に展示され、50日間の会期中に延べ約36万人が来場した。
会期後、彫刻作品は市内に残されることになり、公共施設に点在していた。その後施設改修などの理由から、上府中公園への移設が進められており、市立病院にあった3点が3年ほど前に移設され、同公園には現在10点の彫刻作品が設置されている。
これら作品は制作からすでに34年が経過しており、メンテナンスや作品の周知が不十分の現状にあった。これらの彫刻作品を再び市民に知ってもらい、公園の魅力向上につなげたいと、おだわらミュージアムプロジェクトが市事業協会に呼び掛け、鑑賞ツアーの開催に至った。
当日は同彫刻展で準大賞を受賞した戸田裕介氏が講師を務め、公園を巡りながら作品を解説し、野外彫刻の歴史や魅力を伝えた。参加者は作品に触れながら熱心に鑑賞し、「一人で見て回るのでは味わえない充実感」との感想が寄せられた。今後について同協会は「鑑賞ツアーや作品のメンテナンス活動を通して市民が作品に触れる機会を作りたい」と話した。
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