家庭系可燃ごみの有料収集(※1)を行う神奈川県内の自治体は2024年11月14日現在、6市1町あり、県内33自治体に占める割合は21%であることが、タウンニュース社のアンケート調査で分かった。国は有料化を推進しており、22年時点で全国の実施率は62%(※2)。
アンケート調査は、11月1日から11月14日までの期間で実施。家庭系可燃ごみの有料収集の実施状況や開始時期などを問い、全ての自治体から回答を得た。
全33自治体のうち、有料回収しているのは11月14日現在で7自治体で、全体の21%だった。
「排出量減少した」
県内で最も早く有料化に踏み切ったのは、二宮町で1997年。2006年以降は有料化を始める自治体が増え、近年では、茅ヶ崎市が22年に有料収集を開始した。7自治体はいずれも指定のごみ袋を使い、有料化で得られた収入を指定ごみ袋の製造や処理施設の運営費などに活用している。
また、今回のアンケート調査では有料化導入後のごみ排出量は、全自治体が「減少した」と回答した。
「予定ない」48%
有料化していない26自治体のうち、湯河原町と真鶴町を含む10自治体が「有料化を検討中」と回答。検討理由について「廃棄物処理にかかるコストが増大していることから、時期は未定であるが検討を始めている」(真鶴町)、「ごみ減量が想定通りに進まない場合の対応策の1つ」(松田町)などが上がった。
一方、「導入予定はない」と回答したのは小田原市など16自治体で、全体のほぼ半数の48%だった。「ごみの分別や減量施策を徹底して行い、その効果を踏まえながら、燃せるごみの有料化などを検討する」(小田原市)、「ごみ減量対策の最終手段と捉えているため」(綾瀬市)などを主な理由としている。
ごみ問題に詳しい東洋大学の山谷修作名誉教授(経済学)は神奈川県内の状況を「総排出量が減っている模範的な例」とした。その上で有料収集については「近年開始した自治体も多いが、導入前の審議や調整に壁を感じている場合もあるのでは」と分析している。
(※1)ごみの有料収集とは、自治体へ処理手数料を支払っていることを指す。単に自治体がごみ袋を指定している場合とは異なる。
(※2)全国の家庭系可燃ごみの有料収集率は「一部有料」としている自治体を除く。
【アンケート調査の詳細は次のURLまたは二次元コードからご確認ください】
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1gd4m5mdaf-S6BLZP49HHxgtiRkhd_ZCi74mhenRhBK8/edit?gid=516651857#gid=516651857
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