開館から1周年を迎えた小田原シネマ館の支配人を務める 蓑宮 大介さん 小田原市荻窪在住 50歳
映画館の力で文化醸成を
○…「駅前に映画文化の灯を再び」。亡父の思いから始まった小田原シネマ館が1周年を迎えた。映画を愛し、念願のオープン直前に他界した父・武夫さんに触れ「周囲に『息子に映画館をやらせたい』と話していたことを聞くと、何とか成功させたい」。支配人として「手探りの1年でしたが、映画を愛する方々など、人に恵まれた」
○…中高生時代に車とバイクに熱中。就職先を富士屋ホテルに決めたのは、「お客様の車を車庫入れで扱えるから」だったが、最初の研修で配属されたレストラン業務に魅了された。「最適なタイミングで料理を提供し、持ち場のテーブルを回していく姿が競争に思えた」。当初は同僚に負けたくない気持ちが強かったが、次第に周囲をサポートする役割にも目を向け、さまざまな場所で経験を積んだ。昨年1月に宮ノ下の副支配人を退任したが、今年1月まで顧問として籍を残したのは、ホテルへの愛着から。そんな後ろ髪をひかれる思いを断ち切り、「やると決めたらやる」覚悟を胸に歩を進めた。
○…早朝から夜までのホテルマン時代から一転、「家族との食事や子どもと風呂に入る時間がこんなにも良いものだとは」と苦笑い。20代後半に自分への投資として取得したワインソムリエ資格も、現在は気兼ねなく飲んで集めて、という楽しみ方に変わった。
○…劇場経営の模索が続くが「まちに映画館があり、にぎわいを発信する役割などを思うと、残すべき文化だと気づいた」。父親は駅前の映画館で何をしたかったのか、そんな思いを巡らせながらも「自分らしく進めていきたい。物事を判断し、一度決めたらやり遂げる姿勢は似ていますね」。目じりが下がる笑顔と小田原への思いは確かに受け継がれている。
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