お産おしゃべりクラブの代表を務める 府川 純子さん 市内扇町在住 41歳
野に咲く純なカスミソウ
○…妊娠、出産、育児の喜びと不安を分かち合える「お産おしゃべりひろば」。分娩ができる病院が少なくなる中、「自分たちで出来ることをしたい」と6年前から毎月開催している。自身も妊娠中に不安を抱えていた経験から、「病院の先生に聞くのは緊張するけど、同じママや助産師さんなら気軽に話せると思って」と振り返る。
○…初めて出産する人から、子連れで参加する先輩ママたちも、出産を終えたママの表情は自信とやる気に満ち溢れ、その美しさに思わず見とれてしまうのだとか。赤ちゃんを抱くたびに「お腹の中にいたころから知っているから、どの子も孫のように可愛い」と目を細める。障がいを持っていても、安心して連れてきてもらえる広場。「お母さんは、気軽に相談できる場所があるというだけでも強くなれる」という。
○…もともと目立って行動する方ではなかったので「何で自分が…」と思うことも。転機は長男の誕生。「子どもを守る」という視点から、防災や食品、政治など、様々な方面に目が向くようになったという。活動に伴い人前で話す機会が増えたが、「毎回あがってしまい、終わった後は一人で反省会を開いています」とポツリ。取材当日も緊張のあまりお腹が痛くなってしまったのだとか。そんな恥ずかしがり屋のママを、ご主人や2人のお子さんは応援してくれているという。
○…「いのちの大切さ」を伝える助産師の会と協力して、昨年から本格的に小学校で体験学習を行っている。赤ちゃんの人形や子宮に見立てた大きな袋を使っての出産模擬体験で、自分が頑張って生まれたことを実感してもらうプログラム。「お産は原点。思春期になると自分を大事にできないこともあるけど、無条件で愛された瞬間に立ち返ることで、命の大切さを伝えたい」。静かに語る間も常にキラキラと光を放つ大きな瞳は、夜露を浴びて輝くカスミソウのように瑞々しい。
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