城北工にモニタリングポスト 測定は来年4月から
国により、大気中の放射線量を測定するモニタリングポストが全国に250基増設される。神奈川県には5基が設置され、そのうちの1基が小田原城北工業高校(小田原市栢山200/長田利彦校長)に設置されることが決定した。
東日本大震災による福島第1原発事故を受け、国民の不安を払拭し、全国の放射能調査体制を強化するためにモニタリングポストなどが増設される。
県内にはこれまで、横浜市の環境科学研究所の屋上と相模原市役所屋上、茅ヶ崎の県衛生研究所、川崎の東芝の研究所付近に5基、横須賀の核燃料を製造するグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン付近に8基が設置されていた。これらは震災前から稼動しており、茅ヶ崎、川崎、横須賀のモニタリングポストについては文部科学省を通じて計測値が公にされてきた。
増設されるモニタリングポストで測定が開始されるのは来年4月から。城北工高の他には県立岸根高校(横浜市港北区)、県立逗葉高校(逗子市)、県産業技術センター(海老名市)、県相模川発電管理事務所(相模原市緑区)に設置。地上1メートルの高さの空間放射線量が測定される。また食品などの検体の濃度を測定できるゲルマニウム半導体検出器1台、持ち運びが可能な放射線量測定器(サーベイメーター)3台なども県衛生研究所に追加される。設置費用は県の9月の補正予算に国庫支出金として9600万円が計上されている。
城北工高への設置について県環境衛生課は、「放射線量の値が大きい場所が選定されたわけではなく既存のものや、他に追加される4基とのバランスを取った。また周辺に遮蔽物があると正確なデータが取れないため、ある程度の場所が確保でき、維持管理がしやすい県施設を選んだ」とコメント。放射線などの計測値は震災後右肩下がりで、問題無い値を示しているという。局地的に放射線の値が大きく出るホットスポットについては「大気中を漂っていたセシウムなどが雨などで低いところに流れて溜ったのでは」と話した。
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