東京地方税理士会小田原支部の支部長に就任した 近藤 正道さん 久野在住 58歳
二人三脚で歩む幸せ道
○…2市8町の税理士が所属する小田原支部。60年の歴史で培った支部の伝統を継承しながら、会員相互の研鑚の場として、世間に税の意識を啓発する組織として「粛々と責務を果たしたい」と決意を語る。ただ今年は従来と異なる点がある。10月から国民一人ひとりに通知される「マイナンバー」。社会保障や納税など行政手続きで必要となる制度で、導入元年のタイミングで支部長の座が回ってきた。「制度自体十分に理解されていない。正しく運用されるよう研修会など重ね準備しなくては」と支部運営の柱に掲げている。
○…実家は久野で木工所を営み、幼い頃から休みなく働く両親の後ろ姿を見て育った。自身も集金業務などを手伝う中、高校生の時、進路を考えるきっかけとなる一件が起きる。領収書の書き方で些細なミスを犯し、税務調査で指導を受けた。母が深々と頭を下げる姿は「今もトラウマ」。自責の念を抱くと共に、税務の奥深さを知り、税理士の道を志すようになった。
○…これまでを振り返る中で欠かすことのできない人物がいる。「控え目で大人しくて。顔も好み」と第一印象を振り返る同級生とは、中学3年で結婚の誓いを立てた仲。「僕はあの時生涯の伴侶をもう決めていたんだ」という言葉通り、その後の青春時代も税理士として駆け出しの頃も、常に苦楽を共にしてきた。今では、開業28年になる事務所の事務を担ってくれる唯一無二のパートナー。「四六時中いつも一緒。だからケンカが絶えないよ」という表情も、本当に柔らかい。
○…趣味は登山。事務所の一角に置いたルームランナーでトレーニングに励みながら、シーズンの幕明けを心待ちにしている様子。もちろん愛妻も一緒で「二人で百名山制覇」に挑戦中とか。「欲を言えばキリがないから、あくまで目標。”足るを知る”だよ」。登山も人生も、2人のペースで寄り添って。満ちたりた表情が印象的だった。
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