広域避難所での生活を余儀なくされるような大災害の際、ライフラインの復旧までに、即対応が求められるのがトイレ。広域一般廃棄物事業協同組合(鈴木茂理事長)は「災害時に行きたくないトイレを作らない」を目標に、小田原市に仮設トイレの適正な設置場所などを提案した。
同組合は、県西部を中心とした3市10町の一般廃棄物処理業者からなる組織。災害時には、ごみ収集やバキューム車などの特殊車両などで災害支援にあたる。 小田原市との災害派遣訓練は今回が9回目。今回は広域避難所となる全25の小学校を事前に調査。仮設トイレの適正な設置場所を地図に落とし込み、当日はその場所にのぼりを立て、作業車両で適正に災害収集が行えるか否かを確認した。
バリアフリーや照明等課題山積
非常時とはいえ、仮設トイレはどこにでも設置可能というわけではない。「バキューム車等が作業可能で、高齢者や子供、女性、夜間でも安心して行きやすい場所」が大前提。
さらに汚水を排水するタイプの仮設トイレの場合、下水への配管も可能な場所となる。
組合では、訓練を通じて自治会や学校関係者から聞き取り調査を実施。訓練参加者からは「トイレと手洗い場が遠い」、「夜間は暗い」など意見が出た。また自治会関係者からは「仮設トイレの設置場所の図面がほしい」との要望もあった。
同組合は10月31日にも大井町広域避難所宿泊運営訓練に参加。「和式はバリアフリーではない」、「中に手すりがない」などの意見が参加者から寄せられたという。
組合関係者は「過去の災害時、トイレを我慢して体調を崩したという報告を聞いたことがあった。災害時だから仕方がないではなく、災害時だからこそ、行きたくないトイレにしてはいけない」と気持ちを新たにしていた。
組合では今後の課題として、仮設トイレの設置場所のバリアフリー化や照明の設置等といった環境整備のほか、自治会などへの設置場所の周知、組み立て訓練など、実践的な訓練にしていきたいとしている。
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