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「小田原かまぼこ」巡り訴訟 27日に第1回口頭弁論

文化

公開:2016年5月21日

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 市内13のかまぼこ業者からなる小田原蒲鉾協同組合は、保有する地域団体商標『小田原かまぼこ』などを無断で使用したとして、食品加工業者2社を横浜地裁小田原支部へ提訴した。全国的にも珍しい地域団体商標を巡る訴訟は、5月27日(金)に第1回口頭弁論が予定されている。

 組合が3月4日付で提訴したのは、かまぼこなどを製造する南足柄市の(有)佐藤修商店と、その関連会社で小田原市栢山の(株)小田原吉匠総本店。組合商標を使った商品の販売差し止めと、損害賠償約5000万円の支払いを求めている。訴状などによると、2社は組合に加入していないにも関わらず、昨秋以降に『小田原かまぼこ』や『小田原蒲鉾』といった文言を記した商品を、都内や千葉、長野県などの展示会やスーパーで販売していたという。

 組合の補佐人を務める白坂一弁理士は、「複数回に渡って警告したが、商標の使用を中止しなかったため提訴に踏み切った」と話す。一方、被告側は「商標登録される以前から名称を使用していたので、権利の侵害にあたらない」と主張している。

「今治タオル」なども地域団体商標

 地域団体商標制度は、地域ブランドの育成を目的に2006年にスタート。通常では商標権の取得が難しい地域名と商品名を組み合わせたものが、一定の条件を満たせば特許庁により登録され、地域組合や商工会議所、NPO法人などが取得できる。今年4月末時点で、592件が登録されている。

 四国タオル工業組合の『今治タオル』もそのひとつで、制度を活用し、07年に登録を行った。赤、白、青でデザインしたロゴマークも商標に登録し、基準を満たした組合企業製造のタオルに文言やロゴの使用を認めて「概念を一本化し、ブランド化をはかっている」(タオル工業組合)。蒲鉾組合は10年4月、『小田原かまぼこ』と『小田原蒲鉾』を地域団体商標に出願し、翌11年9月に登録された。

5年前には「博多織」裁判

 白坂弁理士は、「地域団体商標を巡る訴訟は珍しい」と話す。5年前に、『博多織』の商標を保有する博多織工業組合が、”博多帯”と称して博多織の帯を販売した企業を提訴。しかし、商標を使用した企業が以前に組合への加入を望んだにもかかわらず、組合側がそれを拒んだ背景もあり、一審、二審ともに訴えた工業組合が敗訴している。

 地域ブランドを巡り勃発した騒動は法廷に持ち込まれ、横浜地裁小田原支部で27日午後1時10分から口頭弁論が始まる。

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