日本で最も多くの人が観劇した劇団四季のディズニーミュージカル『ライオンキング』に、ヤングシンバ役の1人として市内栄町在住の勝田朝陽君(城山中1年)が出演している。アフリカのサバンナを舞台に繰り広げられるライオンの子・シンバの成長物語で、勝田君は主役の幼少期を熱演中だ。
2月19日、四季劇場[春](東京・浜松町)で、勝田君はデビューを果たす。2日前の稽古後に出演決定を告げられると、「自分が出ている姿がすぐに想像できなかった」と緊張感に包まれたが、舞台にあがれば杞憂に終わった。親子の絆や心の成長を全身で演じ、”ハクナ・マタタ”などの劇中歌に合わせて歌って踊る。「役になりきって、緊張せず楽しめました」と満面の笑みを浮かべた。
現在、複数の子役が日替わりでヤングシンバを務め、デビュー以降、週1〜2回のペースで舞台に立っている。「家族や子役担当の方、舞台を支えてくれているすべての人に感謝して演技したい」。自覚も芽生えた勝田君だが、つい1年半ほど前まではサッカーや陸上に力を注ぎ、演劇とは無縁の日々を過ごしていた。
思い出作りが将来の夢に
きっかけは、本紙2015年12月19日号。応募者全員が出演できるイベント「神奈川県民ミュージカル」の募集記事が目に留まった。「もともと声が大きくて。家で大声は出せないけれど舞台ならいいかなと思って」と、思い出作りも兼ねて応募した。稽古を重ねる中で、「自分を開放できて気持ちいい」と演劇に魅力を感じていった。
そして昨年5月、所属している立花演劇研究所に薦められて受けたヤングシンバ役のオーディションに合格。しかし、これで出演が約束されたわけではない。横浜や東京の稽古場へ週3回通い、1日3時間のレッスン。劇団四季独自の発声方法に台詞、歌、ダンスの稽古を繰り返す。自宅でも、稽古のアドバイスを綴ったノートを見ながら、復習を2時間。そんな努力が、人気作品への扉を開いた。
ミートボール大好き、恐竜について話し出したら止まらない勝田君だが、将来の夢は決めている。「観に来てくれた人の心に何か残せるような俳優になりたい」
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