二宮尊徳の弟子で「札幌開拓の祖」として知られる大友亀太郎。出生地である小田原で、郷土の偉人にスポットを当てようと5月27日(土)、市内栢山の尊徳記念館で講演会が開催される。午後2時から4時まで(1時半開場)。定員先着200人。
「北海道では誰もが知っているほどの人物だが、小田原ではあまりその存在を知られていない」と話すのは、主催の「報徳 九転十起人生塾」の田嶋享塾長。昨年10月に札幌で行われた大友亀太郎札幌村着任150年記念式典の中で、亀太郎の偉業に改めて触れ、出身地である小田原での講演会を企画したという。
講演会では、元北海道新聞編集委員でノンフィクション作家の合田一道氏が、「大友亀太郎とその時代」をテーマに登壇。当時の時代考証とともに亀太郎の功績を解説する。
千代小学校創立に尽力
亀太郎は1834(天保5)年、足柄下郡西大友村(現小田原市)の生まれ。二宮尊徳に師事し、測量や土木技術を修得するとともに、村づくりの知識を学ぶ。66(慶応2)年には石狩地方開拓の幕命を受け、元村(現札幌市東区)の開墾に尽力した。退道後は島根県や山梨県などで要職に就いた後、74(明治7)年に帰郷。神奈川県議会議員を4期務めている。
市内では、学制施行に伴う千代小学校設立に奔走した。当時、学校の建設・運営は地区住民の負担が大きく、亀太郎は学区内の有志から募った寄付金をもとに学校の資本金を作り、それを村々に貸し付けて利益をはかっては学校の費用に充てたという。97(明治30)年に亡くなった際、数百人を越える千代小児童が葬儀に参列したというエピソードもある。
講演会では、道内だけでなく、市内にも残る亀太郎の足跡を辿ることで「郷土で知られていない偉人を世に出す一つのきっかけになれば」と話す田嶋塾長。副塾長を務める松下民雄さんも「後世につないでいくためにも、ぜひ子どもたちにも聞いてほしい」と来場を呼び掛けている。申し込み・問い合わせは事務局【電話】0465・83・1188へ(月〜土/午前9時〜午後5時)。
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