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115年の歴史に幕 小田原少年院で閉庁式

社会

公開:2018年11月24日

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少年らが過ごした学寮
少年らが過ごした学寮

 扇町に移転し115年、国内最古・築90年の校舎で6千人以上の少年が学んだ小田原少年院。来年4月1日の廃庁を前に11月15日、閉庁式が行われた。関係者ら約90人が列席し、別れを惜しんだ。

 同院は1875年、旧小田原藩の獄舎を県監獄本署小田原支署として使用したのが前身。1906年、現地に新築移転した。その後52年に小田原少年院として開設。現在も大正時代に建てられた講堂や武道場、昭和初期建設の渡り廊下、教室で少年らが更生に励む。

 閉庁式には60年以上教誨師(きょうかいし)として少年らの更生にあたった東泉院の岸達志住職や篤志面接委員協議会の志村宗男会長、更生保護女性会の会員らが出席。齊藤美紀雄院長は「地域の皆様の協力で季節を感じる行事や誕生会など愛情溢れる関わりができた」と謝辞を述べた。その後同院の歴史をまとめたビデオが上映された。最後に内部が公開され、移転後115年間の歴史と思い出を偲んだ。

 生け花や書道などのボランティアも更生を支えた。合唱を指導したコーラスグループ「コールめんどり」の松本敦子さんは「合唱を披露した時、戦争で亡くした息子と少年を重ねて涙を流して聴く人もいた。喜ぶ少年の姿が宝物」と語った。

 同院には窃盗や傷害、詐欺などの罪で保護処分となった少年らが常時80人前後在院。約11カ月の更生期間を経て卒院している。62年には体育指導実験施設に指定されたこともあり、水泳大会や剣道大会、体育祭などを実施。その名残で現在も体育科の教員が多く、熱の入った指導に定評がある。

 しかし、少子化や少年犯罪の減少などで収容が減り、2019年4月1日で廃庁が決定。4月2日以降は財務省が土地・建物を管理することが決まっており、その後の活用方法などは未定。

体育祭や盆踊りが行われたグラウンド
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謝辞を述べる齊藤院長
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