8月31日に小田原市民会館で公演する日本舞踊家集団「弧(こ)の会」のメンバー 泉 徳保(とくほ)さん 小田原市扇町在住 49歳
飛ぶ翔る躍る、日本感じて
○…「先人から継承されてきた日本舞踊の素晴らしさを多くの人に伝えたい」。流派を超えた男性日本舞踊家12人による「弧の会」の一人として、1998年の発足当時から活動に情熱を注ぐ。実験的な演目の中でも神秘的な神々の祭りを表現した創作舞踊「御柱祭(おんばしら)」では、素踊りで舞台を縦横無尽に飛び翔け舞う新境地に挑戦した。メンバーは日々、それぞれの流派で修練を重ねている。「個性のぶつかり合いの中、会が20年続いていることが稀有。だからこそ面白い」とにやり。
○…全国各地で100に届くほどの舞台に参加してきたが、小田原市では初めての公演。「地元で披露できるのは本当に感慨深い」。8月末の公演に先駆けて日本舞踊の親子向けワークショップを企画し、講師も務める。「子ども時代に素直な気持ちで和の文化に触れる体験こそが伝統をつなぐ第一歩」と意気込みを語る姿は使命感に燃え、凛として力強い。
○…小田原市出身。泉流の師範を務める母の縁から、3歳で初舞台を踏む。16歳で名取となり、生業として生きていくことを決めた。五感を研ぎ澄ませて挑む舞台。静寂の中に立つ姿、その内に秘める思いは青い炎のように静かで熱い。「究極の苦しみであると同時に、ただ好きという気持ち。口で言い表せないから踊り続けている」
○…各地の生徒の稽古のためスケジュール帳は出張の予定でびっしり。忙しく過ごす毎日だが、留守を守ってくれている妻への感謝の思いは忘れない。大切な愛娘は、長唄三味線の奏者を目指し大学に進んだ。「偶然にも自分と似た道を選んだ。うれしいと思う反面、厳しさを知ってるからこそ複雑な思いはある。でも決めたからには応援してあげたい」と父の顔をのぞかせた。
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