箱根登山鉄道(株)は、台風19号の災害による影響で運休となっている箱根湯本駅〜強羅駅間の運行再開が、2020年の秋頃になる見通しをこのほど発表した。災害発生後、初めて明かされたスケジュールに地元商店の反応はさまざまだ。
強羅駅近くの上総屋商店の川久保一浩さんは運行再開の見通しの発表に「1日でも早く復旧してほしい」と切実に語った。山ろくラーメン店の長野真己さんも「我々にはどうすることもできないので、我慢するしかない」と厳しい表情を浮かべる。一方、スイーツ等を販売する花詩の坂本瑞穂さんは「登山鉄道で来てくれるお客様が多かったので今は厳しい。当初は復旧まで2年かかると聞いていたけれど、今回の発表で少し光が見えた」と話した。
原状復帰を目指す
同鉄道の被害は、軽微な箇所も含めると約20カ所にも及んだ。中でも、線路を含む陸橋などが流出した蛇骨陸橋付近、流れ着いた大量の岩石で覆われた大沢橋梁の被害は甚大だ。同社によると、復旧工事にあたって基本的に今までの軌道は変えない方針。そのうえで、新たな事故防止対策として、蛇骨陸橋付近には土砂崩れを検知するセンサーの設置を計画している。比較的被害が軽微だった、箱根湯本駅〜大平台駅間や強羅駅〜小涌谷駅間は、折り返し運転での対応が検討中。しかし、信号システムなどソフト面での調整、代行バスとの連携ほか、実現に向けてクリアしなくてはいけない課題が多く決定には至っていない。同社では「1日も早い全線運行再開に努めていきたい」と話している。
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