小田原市は今年度から、民間企業と協働で「地域マイクログリッド構築事業」を進めている。これは地域で創出される再生可能エネルギーを自立運用する取り組み。市は2021年度までに運用ノウハウの集約を進め、災害等による大規模停電時での活用など、市内への将来的な普及も視野に入れている。
「地域マイクログリッド」とは大規模な発電所の電力供給に依存せず、エネルギーを地産地消する小規模な電力ネットワーク。市は現在、久野にあるわんぱくらんどの敷地に太陽光発電設備や電力供給バランスを調整する大型蓄電池などの設置を進めている。
一般的な地域マイクログリッドの構築は独自の配電網を整備して行われるが、既存の配電線を活用する小田原市の協働事業は全国的に見ても珍しいという。
脱炭素型の地域社会を目指す小田原市は、14年から民間事業者らと連携。太陽光発電の普及などに取り組んだほか、昨年7月には電気自動車を「移動できる蓄電池」として活用しようと、日産自動車(株)らと災害連携協定を締結している。
これまでの施策を発展させる事業として、今回は京セラ(株)と(株)REXEV、湘南電力(株)らと連携。事業者は蓄電池や太陽光発電、電気自動車の導入や運用、電力需給バランスの調整役などを担う。市は各施策との連携や事業の周知、発信を行っていく。
工事は9月まで行われる予定。本格稼働後は、敷地内などで創出された電力は施設に使用。余剰分は大型蓄電池に貯められる。非常時は通常の電力会社配電網を切り離し、わんぱくらんどや隣接のいこいの森への電力供給、電気自動車の充電などが可能となる。
市エネルギー政策推進課の担当者は「電圧や周波数など需給バランスの制御が難しい事業だが、ノウハウを集約し、将来の地域マイクログリッドの市内構築も検討していきたい」と期待する。
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