持続可能な森林整備を目指す「自伐型林業」の普及・啓発に向け製作されたドキュメンタリー映画『壊れゆく森から、持続する森へ』の上映会が1月31日、ブレンドパーク(小田原市国府津)で開催された。トークイベントも行われ、同映画のプロデューサー・内田聖子さん、林業家の飯田康司さん、自伐型林業推進協会事務局長の上垣喜寛さんが登壇。来場者約20人、オンラインでの同時配信を視聴した参加者約80人が聞き入った。
同映画は、主催のNPO法人アジア太平洋資料センターが、同協会との協力で製作し、昨年12月に完成。作中では、適正な規模の森林を繰り返し間伐することで、環境に配慮した持続可能な林業経営を目指す「自伐型林業」の実態を紹介している。
同協会によると、国内の多くの森では長年にわたり、対象区画のすべての樹木を伐採する「皆伐」が続いていることで、自然災害時に土砂崩れを誘発するケースもあるという。こうした従来の林業に対し、根本的な転換を試みるのが自伐型林業で、小田原市在住の上垣さんは「近年関心が高まっており、わずかだった自伐型林業への参入者数が、ここ5年ほどで約2300人に増加。新規参入を支援する自治体も増えつつある。小田原などの足柄平野には山林が多く、杉などの樹木に適した土壌、環境が整っている。林業においてポテンシャルが高い地域」と話す。
参加者からは「新しい形の林業で、興味深かった」などの声が聞かれたという。同協会は「今後も全国的に啓発活動を続けていきたい」としている。
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