「Nama Gateau Au Chocolat(ナマ ガトー ショコラ)」の代表を務める柳下龍介さん(小田原市寿町・32)が、カカオ生産者を支援する「生ガトーショコラ」の販売と市内製造拠点の設立を目指し、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。「美味しさ」と「社会貢献」を掛け合わせた取り組みを取材した。
柳下さんが取り組んでいるのは「一流シェフが作る特濃厚な極上の生ガトーショコラ」の開発と販売。原料にサスティナブル・プログラム「カカオ・トレース」のチョコレートを100%使用していることを特徴としている。同プログラムは、アフリカなどカカオ⽣産者の栽培技術を通した生活⽔準向上のサポート、チョコレート代金の一部を⽣産者や農村に還元することを目的とする。
きっかけは、27歳。市内の温浴施設でふと目にしたテレビの番組で発展途上国の様子が紹介されていた。「余暇をゆったりと過ごす日本人と貧困に耐える子どもたちとのギャップを猛烈に感じた」。すぐに南足柄市で農業分野で国際協力を行っている(株)国際農業開発でボランティアを始めた。30歳の時、勤めていたIT企業でバングラデシュへの赴任の募集があり「現場を知る機会」と立候補した。週末を使い、現地のNPO団体や孤児院などを訪問。「多くの支援は一過性で、追加の寄付がないと継続も難しい」という現実を知った。1年間の勤務を経て帰国後「持続可能な支援をしたい」と起業を決意した。
経営を学び、事業の構想を練る中で偶然ガトーショコラを食べた。「その美味しさに、食べることでも貢献できる」とひらめき、学生時代の友人・増井睦さんの存在を思い出した。増井さんは、アマン東京など5つ星ホテルで経験を積んだ料理人。柳下さんの思いに共感し、商品開発の協力を申し出てくれた。万を持して2月に起業し、試行錯誤を経て「生ガトーショコラ」のレシピが完成。「極上の口溶けと特濃厚な味わい。リピーターになってもらえる」と確信を持った。
4月21日からCFで先行予約販売を始めると24時間で目標額の30万円を達成。現在は、6月10日までのネクストゴール100万円を目指し広報を続けている。市内に製造拠点も準備中だ。柳下さんは「全国に商品を届け、ゆくゆくは発展途上国に雇用を生む事業を展開したい」と夢を膨らませた。CFはキャンプファイヤー内「生ガトーショコラ」で検索を。
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