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小田原市松永記念館 資料手掛かりに庭園復元 工事終え再開園

文化

公開:2021年7月17日

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復元された四阿
復元された四阿

 2020年9月1日から休館していた松永記念館(小田原市板橋941の1)が、昭和中期の庭園を復元する整備を経て、7月4日にリニューアルオープンした。バリアフリー化やインバウンド対策も併せて行い、市は幅広い集客につなげたい考えだ。

 今回の整備工事で復元や修景を目的とした工事箇所は主に2点。園内に残っていた礎石や当時の写真などを手掛かりに、景色を楽しみ休憩をする建屋である「四阿(しあ)」と、本館裏の石積階段を当時の姿に合わせて復元した。

 バリアフリー化を目的とした工事箇所は主に3点。道路から正門、別館へと続くアプローチ部分を舗装し、段差を解消。また、園内に砂利のズレを防止する保護材を敷き、車イスやベビーカーでの走行を便利にした。さらに、デッキスロープを設置したことで、池の西側まで段差を気にすることなく回れるようになった。

 このほか敷地にある案内板を多言語表記に変え、海外から訪れる人にも同館の魅力を届ける工夫も。再オープンから約1週間が経ち「きれいになったね、という声をいただく」と同館の担当者は話している。

茶人「耳庵(じあん)」の世界

 松永記念館は、戦後の電力再編成で大きな役割を果たした実業家で、茶人「耳庵」としても知られる松永安左ヱ門(1875―1971)が、古美術などの自身のコレクションを公開する施設として1959年に設立した。耳庵が作った庭園は四季折々の草花や奈良・平安時代の石造物が見どころで「日本の歴史公園100選」に選ばれている。また、耳庵が晩年を過ごした「老欅荘」や、茶室「葉雨庵」は国の登録有形文化財に指定されている。

 同館の学芸員・中村暢子さんは「コロナがあるけれど、オープンエアな空間なので市内の方も来てほしい。ちょうど睡蓮がきれいに咲いています」と話す。

 観覧無料。開館時間は当面の間、午前10時〜午後4時に短縮している。

設置されたデッキスロープ
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