地元で「竜宮さん」と呼ばれる小田原市浜町の「八代龍宮」。境内には手水鉢があり、その正面に建つ石碑に刻まれた寄進者17人の名前を見ると、杉山松次郎、柳下鶴次郎、神保照次郎...以降も吉次郎、粂次郎と「次郎」ばかり。
浜町出身の元NHK記者・石川又一郎さん(80・秦野市在住)は、「全員の本名が、次郎のはずがない。何か意味があるはず」と、調査した結果からの考察をこのほどまとめた。
石碑中央には「大正十年八月一日」の文字。古文書の解読や石碑の拓本をライフワークとする石川さんは、「漁師が多く住む地域であり、苗字からも当時の漁師が寄進したもので間違いない」という。さらに謎を解明するべく、郷土史を調べ、さらに地元の歴史研究会や近所の漁師古老に聞いたが、はっきりしたことは分からなかった。
「次郎」がいるからには「太郎」がいる?
考察で石川さんは、「"次郎"がいるからには"太郎"という人物または観念があるはずだ」と仮定。そして太郎が示すものとして「船」「船主」なども考えられるが、「浦島太郎」説を唱える。根拠として【1】「同神社が竜宮を祀っている」、【2】「石碑の上に2匹のウミガメ像がある」、【3】「三浦には浦島を祀る寺があり、三浦は小田原漁師と縁が深い」などを挙げる。
石川さんは笑いながら飛躍した論理としつつも、「手水鉢の寄進を思い付いた漁師組合は、役職・寄付額はバラバラだったはず。これを区別しない方法として『金額を書かずに、名前も(竜宮が太郎なら)次郎にしてしまえ』となったのでは」といい、「竜宮から派生した、漁師連中のシャレ心と判断するのが妥当」と結論付けている。また「詳しいことを知っている人がいたら教えてほしい」とも話している。
考察の全文は、石川さんのフェイスブックで読むことができる。
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