伸びやかな木遣りの声とともに勇壮に振られる纏(まとい)-。5月3日の小田原北條五代祭りで、4人の若手鳶がパレードの纏振りに初めて参加した。
小田原鳶職組合の纏は、一番から四番まで順に先端の頭が「小」「田」「わ(輪)」「ら」の形になっているのが特徴だ。
纏は1本で約15kg〜20kgあり、パレードでは纏を回転させながら上下させ2Km以上あるコースを数人で交代しながら練り歩く。小田原鳶にとっては出初式と並ぶ晴れ舞台だが、近年は若手の減少もあり4本のうち3本だけの参加が続いていた。
新型コロナによる中止を経て4年ぶりの参加となる今年、組合は伝統を受け継ごうと改めて若手職人に呼び掛けると20代の4人が手を挙げた。
祭りの1週間前からは毎夜、松原神社境内に集まり練習を重ねた。練習では最も重い二番纏を使い、初めはふらつく姿もあったが先輩の「左手は添えて、右手で大きく回す」などアドバイスを受けながら徐々にコツをつかんでいった。
快晴となった祭り当日、パレードコースの沿道は多くの人が詰めかけた。久し振りに4本がそろい、先輩とともにダイナミックな振りっぷりへの拍手と歓声を浴びながら4人は無事に大役を終えた。最年少の齋藤睦乃さん(20)は「緊張したけれど若い自分が一番(纏を)回さなければと夢中だった」、岩本望さん(22)は「目立てて、めちゃめちゃ楽しかった」、高杉祐翔さん(22)は「ばれん(細長い飾り)がきれいにに開くよう練習してきたが上手くいった」、杉本直樹さん(28)は「頑張ってと声もかけてもらい楽しかった」と振り返った。
金子正房組合長は、「祭りに来た多くの人に、小田原鳶の伝統を知ってもらえたのでは。来年も、若い人たちに伝統をつないでいってもらいたい」と期待を込めて話した。
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