選挙人名簿不正コピー問題をめぐり、松本一彦真鶴町長の解職(リコール)の是非を問う住民投票が9月24日に真鶴町民センターで実施された。即日開票され、投票総数3618票のうち、賛成2204票、 反対1378票で賛成が過半数を占め、リコールが成立し、松本氏は即日失職した。投票率は59・40%だった。町では50日以内に町長選を実施する。
松本氏は、有権者約6600人分の個人情報が記載された選挙人名簿を不正にコピーして持ち出し、2020年の自らの町長選などに利用したとして21年11月に辞職。同年の町長選で再選したが、真鶴町による松本氏の刑事告発や職員の4分の1が退職するなど町政は混乱が続いていた。
23年5月から町民有志による政治団体「真鶴の未来をつくる会」により町長の解職請求を求める署名運動が実施され、有権者の3分の1を超える署名が集まり、住民投票の実施に至った。
「町長選には出馬せず」
住民投票の結果を受けて、当日午後10時から松本氏は記者会見を開いた。松本氏は「当初から厳しい状況と予想していたのでそのまま結果が出た。これまで応援してくれた町民、後援会、家族に感謝の気持ち。不毛な誹謗中傷を繰り返されるのは真鶴町にとって無意味。一個人として、真鶴町の存続、発展を期待している」とし、次の町長選挙には出馬しない意向を示した。また、「再選してから、これまで町が進むように努力してきたことにうそ偽りはないが、今回の結果については私の全ての行動が原因だと受け止めている」と話した。
一方、町が二分する現状については「(自分が町長になって)1年、2年でこうなったわけでない。次に町長になる人が町の現状を把握し、二分していることを理解しないとひとつに向かわない」とし、「敵味方ではなく、良いか悪いかという判断で物事が進む町になってほしい。少子高齢化、過疎化に加え、昔から引きずっている水道事業などの課題がある」と思いを述べた。
「新しいスタートに」
解職請求を求める署名活動を実施した「真鶴の未来をつくる会」の青木嚴代表は、「住民投票結果は民意を反映したもの。町の未来、将来のスタートでもある。(町長選で)住民に町のリーダーとしてふさわしい方を決めて頂く」と話した。同会は、今月中に解散するという。(9月27日起稿)
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