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籠淸本店が再建100周年 「温故知新」テーマに母屋改修

文化

公開:2024年4月13日

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研ぎ出しのカウンターを紹介する石黒専務
研ぎ出しのカウンターを紹介する石黒専務

 小田原の伝統的な蒲鉾づくりを行う株式会社 籠淸が本店再建100周年を機に、母屋を改修した。4月27日(土)に鏡開きを実施し、地域へお披露目する。

 同社は1814年に創業。本店は関東大震災で倒壊後、翌1924年に再建。同社の石黒太郎専務は「節目となる100年。『温故知新』をテーマに再建当時の状態に戻しつつ、『今』を取り入れた改修にこだわった」と話す。小田原の伝統的な商家「出桁(だしげた)造り」で建築された外観はそのままに、改修には宮大工や左官など小田原の職人らが関わり、随所に伝統技術が駆使されている。

 床は御幸の浜から店がつながるイメージをコンセプトに、小田原近辺の砂をセメントと合わせ、御幸の浜の石も散りばめ、「洗い出し」でゴツゴツとした仕上がり。またショーケースのあるカウンターは、真鶴の本小松石をイメージし、「研ぎ出し」と呼ばれる古くからある技法で、すべすべとした温かみのある手触りが特徴。床との境は敢えて、酸化鉄の差し色を施した「金鏝(かなごて)抑え」の仕上がりも見所だ。さらに天井は、創業当時の板張り天井に戻し、漆喰天井部分も修繕。ライトアップすることでデザインの美しさを強調している。

 記念事業として4月27日から29日(月)には、小田原唯一の酒蔵「HINEMOS」と籠淸の蒲鉾を楽しむ無料試食・試飲会も予定。石黒専務は「地域の皆様に気に入ってもらえる空間になれば」と話している。

御幸の浜の石が散りばめられた床(左)と漆喰と板張りのコントラストが美しい天井(右)
御幸の浜の石が散りばめられた床(左)と漆喰と板張りのコントラストが美しい天井(右)

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