小田原市立中央図書館の館長に就任した 竹縄 謙史さん 小田原市城山在住 55歳
ネットにない魅力を伝える
○…「かもめ図書館」の愛称で親しまれ、8月に開館30周年を迎える中央図書館の館長に7月1日付で就任した。図書館勤務は市役所に入庁後、最初に配属されて以来。当時を共にした職員からは「館外にある人工池を掃除していたのを思い出すと言われた」と笑顔。「立場や責任が当時と違うので懐かしさよりも多少の不安がある。今ある課題に向き合っていきたい」と背筋を伸ばす。
○…小田原市出身。中央大学に進学後、クラシック曲を歌う音楽研究会混声合唱部に入部。第一線で活躍する指揮者からの指導やプロの音楽家と共演する定期公演など「貴重な経験をたくさんして、青春だった」と振り返る。市役所に入庁は地元への愛着から。総務課や障害福祉課、資産税課のほか、県庁への出向など多岐にわたる部署を経験した。
○…最初の図書館勤務では、中央図書館の開館にも携わった。背景には閉架式ではない、直接手にとって本を探せる図書館を求めた市民の声。「期待されている人も多く、人に喜ばれることをやっていると感じていた」と約9万冊の本のバーコードを朝から晩まで読み取り続けた日々が懐かしい。初日、「正面玄関で開館を待つ多くの人の姿は今も記憶に残っている」としみじみ。
○…電子書籍の普及や、情報が簡単に手に入る時代となり、若者を中心に図書館の利用者は減少傾向にある。それでも「ネットでは調べられない情報が図書館にあることを知ってもらいたい」とSNSを使って本の紹介やイベント周知など情報を発信していく。最近はYoutubeで旅行の動画を見るのも楽しみ。「行った気になれる」と旅行プランの参考にもしている。ここ数年、妻と子どもと行く沖縄旅行を今年も計画中だ。
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