町立湯河原美術館は、同館名誉館長で日本画家の平松礼二さん(82)の特別展「旅する日本画」を9月23日(月)まで開催している。平松さんが来年就航予定のクルーズ船「飛鳥III」のために描いた30作品を先がけて公開する。
「飛鳥III」は日本船籍最大のクルーズ船。「動く洋上の美術館」をコンセプトに掲げ、日本の芸術文化を代表する多くの作家による美術品・工芸品を船内にしつらえる。平松さんは展示作家の一人として36作品を描き、日本の四季を豊かな色彩で表現した。
特別展は平松さんが「飛鳥IIIが世界に旅立つ前にご覧いただきたい」と、同美術館に申し入れたことがきっかけで開催に至った。
平松さんは1941年東京都生まれ。山種美術館賞展大賞や中日文化賞など多くの芸術賞を受賞し、月刊『文藝春秋』の表紙画を10年間担当したことでも知られる。2021年にはフランス共和国芸術文化勲章を受章した。
「飛鳥」と平松さんの出会いは、妻と銀婚式の記念で乗船した日本一周のクルーズ旅行。港や景勝地のスケッチに明け暮れ、「まさに夢の国が目前にあった」と魅了された。それ以来「またいつか飛鳥で船旅を」が夫婦の合言葉になったという。
日本の文化芸術に満ちた「飛鳥III」のために、平松さんは装飾性・様式性・あそびごころを織り込んだ鮮やかな作品を制作。作品は船内レストランや最上級客室に展示される予定だ。平松さんは「これら多数の作品を、船上で見ることを想像していただければ」とコメントし、来場を呼び掛けた。
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