小田原シネマ館で公開中の映画「シェアの法則」でプロデューサーを務めた 柳川 直隆さん 県立小田原高校出身 55歳
「小田原に再び映画文化を」
○…妻に代わりシェアハウスの管理人になった堅物夫と住人の交流を描いた青年座の舞台「シェアの法則」を2022年に映画化。東京都から優良作品に推奨されるなど好評を得る中、高校時代を過ごした小田原での上映が始まった。「コロナ前には当たり前だった人との交流や、人に関心を持つことの意味を今の時代に撮っておきたかった。温泉宿や漁師の息子など、多様な背景の同級生と交流した場所で上映できるのはうれしい」
○…小田原高校の同級生が俳優の合田雅吏さん。「向こうはカッコいいサッカー部で自分は坊主頭の野球部。ハンサムな合田が羨ましかった」と懐かしむ。昨年の同窓会で小田原シネマ館の名誉館長を務める合田さんと再会し、今回の凱旋が実現。「主演の小野武彦さんは市役所でドラマを撮影したことがあり、脚本の岩瀬顕子さんは映画『二宮金次郎』で金次郎の母親役、主題歌の澤田知可子さんも小田原にお住まいと、実は縁が多い」と重なった偶然も小田原上映を後押しした。
○…映画製作会社で全国公開作品に数多く関わり、10年ほど前に独立。現在は映画製作や、日本各地の映像などを海外に紹介している。趣味は渓流釣り。「日常から離れて力を蓄えるための時間。魚がいるのか分からないけど、突然ヒットするのと仕事中に突然アイデアが降ってくる感覚が似ていて好きなんです」
○…小田原のミニシアターから映画文化が再び根付くことを願う。「若い世代が製作にも興味を持って、発信する側になるきっかけの場になれば」。映画には編集やケータリングなど幅広い業種が関わることから「地域の産業として『映画が撮れる場』になっていけばうれしいです。そしていつかは小田原で映画を撮ってみたい」。
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