開催を来週の16日(金)に控える「箱根強羅温泉 大文字焼」。100年以上続く伝統行事を継承していくため、地元の青年会や観光協会、観光事業者らが協力して準備に取り組んでいる。
「大」の字が灯されるのは明星ヶ岳の山腹、標高900mあたり。6月中旬に点灯地点に行くと斜度40度の急斜面に、風にそよぐ草木が茂っている。大文字焼の開催に向け、約2カ月間で草刈りや松明作りなどの準備を人の手で進めてきた。
これまで宮城野青年会が実働を担ってきたが、会員減少による人手不足が課題となっていた。そのため、3年前からは箱根強羅観光協会が地元の観光事業者に協力を呼び掛けて実施してきた。今年は延べ約120人が参加し、額に汗を流しながら準備を手伝った。同観光協会の田村洋一会長は「ホテルのフロントや板場の人が来てくれた。地道な作業で大変だが、現場を知ることで大文字焼当日に、観光客に伝えられることも増える」と事業者にとっての意義を話した。
元々は観光客の慰安のために始まった箱根の大文字焼。関東大震災を機に、送り火の意味が込められるようになったという。継承に尽力する人に思いを向けるとまた一味違った楽しみがあるかもしれない。点火は午後7時30分、同時刻に打上花火やナイアガラが夜空を彩る。強羅駅前ではビアガーデンや強羅音頭盆踊りなどのイベントも予定している。
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