長らくシャッターが閉まっていた小田原市・青物町の元「さとう文具店」が今年12月、ゲストハウス「旅籠屋さとう」として生まれ変わる。旅先で創作意欲が刺激されるような「籠れる宿」をコンセプトに、上山あかねさん(29)が開業に向け準備をしている。
廃材を再利用し、また古家具や古道具を中心に置くなど、趣のある雰囲気を残しつつ、宿泊しなくても利用できるコミュニティールームや作家が作品を販売できるギャラリースペース、映画鑑賞ができるシアタールームを作るなど、地域に開かれた場所を目指す。
文化の日(11月3日)に生まれ、「小さい頃から文化に触れるのがとても好きだった」という上山さん。学生時代から絵や小説など創作活動に励んできた。一時は保育士として働いていたが夢を諦めきれず、5年ほど前からパート勤務や間借りでの飲食店営業をして開業に向けた道を歩み始めたという。
2年前に鎌倉市から小田原市早川に移住。開業の地は、明治期に小説家や詩人など多くの文学者が集まった小田原を選んだ。「江戸時代には宿場町として栄えていたまち。ここに宿を開くことで、再び作家が創作活動や思想にヒントが得られる場所を提供できれば」と思いを語る。
クラファンで支援を受付中
長く利用されていなかった空店舗を改装して宿泊可能な状態にするには多額の費用が必要になる。そこで上山さんは、10月26日からクラウドファンディング(CF)で支援を募っている。目標金額は100万円。期間は12月1日(日)まで。支援はCFサイト「READYFOR」を開き「旅籠屋さとう」で検索を。
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